スワット

カラーパープルのスワットのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.7
2024年劇場鑑賞19本目 字幕鑑賞
原作アリス・ウォーカーの小説が1985年にスピルバーグ監督で映画化。
これを新たにミュージカル映画としてリメイクした本作。

ファンテイジア・バリーノが主演、タラジ・P・ヘンソン、ダニエル・ブルックス、コールマン・ドミンゴと脇を固める俳優も何処かで見た事あるなぁと思わせる布陣。

スピルバーグ版は未鑑賞の為、比較しての感想は出来ないけれど、それでも心が痛いというかこの様な現実があった事が到底信じられないと思いながら鑑賞していた。
ミュージカル映画として制作されているからこそ観れた、エンタメ作品として昇華されているなと強く感じました。変な言い方をすると歌の力を再確認したとでも言えばいいかなと感じました。
スピルバーグ版はもっと辛辣に淡々と描かれているのかなと勝手に想像してしまいました。
いつか観ないと…

特に序盤が観てて、キツかったです。男尊女卑をこれでもかと映像で見せつけてきます。またセリーの表情に時代背景や環境、社会性、個の変化等色々感じ取れます。
終盤、全ての想いを乗せて歌う「I’m here」はまさに圧巻で、序盤に見せていた表情と打って変わって自信に満ち溢れた顔で歌い切るセリーに思わず涙が流れます。
これは映画館でしか出来ない体験でもあると思います。配信やDVDでは味わえない感覚ですので是非大画面の映画館、出来れば音響の良い劇場で鑑賞する事をお勧めしますね。

物語的にも、序盤を乗り切ると正に一変します。
私はソフィアとシュグが登場した辺りからエンタメとして楽しめる様になりました。
「Hell No!」、「Shug Avery」なんかは聴いてても楽しい、元気になる楽曲で大変素晴らしい。
セリーがお店を開店した際の「Miss Cellie’s Pants」は笑い泣きしてしまいました。
各楽器群がこの映画を成功へと導いている1つの要因である事は間違いないです。

個人的にダニエル・ブルックスの存在感が凄くて、ファンテイジア・バリーノより目立っていた様に思います。
飛び切り明るいキャラクターしか出来ないのかなと勝手に思っていたのですが、収監シーンのやつれ感、絶望感の表情に観ている私も胸が苦しくなりました。今後も俳優としての活躍を見たい人物です。
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