デヴィッド・ボウイの頭だけニョキっとしているおはなし。
映画館で聴く戦メリは、やはり堪らないものでございます。予想はしておりましたが、この何かが浄化されてゆく感覚は、やはり実際に暗闇の中スクリーンで観なければ解りえないものでございましょう。
己れが唯一正しいと信じてやまず、決して歩み寄ることもせない東西の衝突。その中で、心と心とが触れ合う描写には、どうしても感動せずにはいられません。
ヨノイ大尉の心の裡に種を蒔き、そうして弟の下へと帰っていったセリアズ。最期まで武士として、しかし最後の最後にはローレンスにひとつ歩み寄ったハラ軍曹。ローレンスという人物を中心に、彼らは壁を乗り越えんとするのです。やはりこの作品は、『Merry Christmas Mr.Lawrence』なんでございましょう。
たったの一人も女が出ない、異色な戦争映画とはよく云われます。おそらくこの映画に、柔らかな女はあってはいけないのでございましょう。
肉体と肉体とが絶えず衝突し、そうして衝突しきったその先に見える別辞。なるほど今は全く冬ではございませんが、ローレンスさん、ぜひ私にも言わせてください。
Merry Christmas Mr.Lawrence!