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ボストン市庁舎のArxのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
3.8
「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」以降、(というかそれ以降しか見れてないが)ワイズマンの関心は「公共」と「市民」の関わりにあるようだが、上映時間的にも本作は総決算的な内容だ。

最初に市の予算内訳について説明する場面があるが、州からの補助金が削られる一方で市独自の税金の割合が増えていってることが語られるが、ボストン市のお上(国や州)との独立性が提示されている。
ボストン市の考える「市民」とは、LGBTも、老人も、退役軍人も、移民も、障害者も含んでいて、それは「市民」を明確に区別しようとするトランプ大統領とのカウンターになっている。そのような「公共」のメッセージがあるからこそ、大麻ショップを出店する業者と地元住民との話し合いが成立するのだろう。

個人的には「市役所」というタイトルなので映画で出てくる駐禁の異議申し立て室のような市役所内の実務部分を見たかったことと、基本的に堅苦しい打ち合わせ場面が多いので上映時間も相まって若干息苦しさを感じるところはあった。(「ジャクソンハイツ」における早く死にたいわーと言ってる老人ホームのお婆ちゃんのような市民の素顔がもう少し見れると良かった)
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