みきわめとおる

ボストン市庁舎のみきわめとおるのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.0
『グッドウィルハンティング/旅立ち』
において、ロビンウィリアムズ扮するショーンが、なぜ深い心の傷を負ったウィル(マットデイモン)と魂の交流に成功したのか。

ショーンは、ウィルと同様に最愛の妻を病気で失い、生きていくことさえ無価値で困難なほど落ち込み、絶望した一人の孤独な精神分析医だったからだ。

上から目線ではなく、同じ大きな傷を背負った人間同士として、ウィルの気持ちに寄り添いウィルのボストンからの旅立ちを成功させたのだ。

そう、ウィルはボストンに住んでいた、、。

ボストン市庁舎の主人である、マーティウォルシュ市長はアイルランドからの移民の子孫であり、日々の暮らしのしんどさからアルコール中毒になり、まだ完全に完治出来ていないとまで市民の前で語る。
完璧な人間にはほど遠い、しかしだからこそ貧しさや差別に苦しむ市民の声を一つ一つ聴き、ボストンをアメリカ屈指の素晴らしい民度の高い市にまとめあげていった。

ボストン市は、毎年11月11日には、ボストンのグッドウィルインダストリーで感謝祭を迎える。

淋しいのはおまえだけじゃない。
何気ない心のふれあいが幸せを連れてくる。
ひとはみな一人では
生きていけないものだから。