面白いなー。ミレーの絵のような近代と現代が地続きに混ざり合うさま。その短いショットひとつひとつの構図がまた多様でキマってる。パン酵母の検査?をする女性の表情が検査器具からの主観正面ショットで捉えられてるシーンとか、赤ん坊が道に落としたパンを少年が拾うが別の少年に横盗りされる切り返し鮮やかなシーンなど演技要素も差し込まれてる。音にしてもシチュエーションにしても連想的に次のショットにひっかけたりしてつなぐ面白さ。袋のお金の音から店のカウンターに置かれたコインとか、パン奪われた少年のアップにかぶる聖体拝受の説教の声とか。祈る老婆のアップから破壊・戦闘の音とゲルニカとビュッフェの絵が重なる不穏さ。それをずっとやってるわけでなくあくまでさらっと。粋というより、自由なんだよなぁ。さすが。