西村大樹

赤頭巾ちゃん気をつけての西村大樹のレビュー・感想・評価

赤頭巾ちゃん気をつけて(1970年製作の映画)
1.5
時代の映画である。この時代だからこそ成立している作品であり、今の時代の人が観てもどれほど面白く思えるか疑問である。
別に、その時代の映画が悪いわけではない。ただ、大島渚監督など時代を描きつついまだに評価できる作品が数多くある(『新宿泥棒日記』は酷いが……)。
映画とは、時代を映す鏡であると同時に、後世にその時代背景を残す必要もあると思う。それが本作ではスッポリと抜けているのだ。
主人公が東大進学について悩むところなど、その時代背景が分からないと、いまの人に伝わってこないであろう。
そしてなにより、ナレーションで感情を背詰めてさせるという部分に、自分は疑問を感じる。もちろん、そのような演出を使い傑作を生み出した監督間は幾人もいるが、あまりに頼りすぎで芝居が目に入ってこないほどである。
脚本段階で、もっと検討すべきであったのではないのであろうか?
西村大樹

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