アタフ

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカットのアタフのレビュー・感想・評価

4.3
個人的に楽しみにしていたジャスティス・リーグ:ザックスナイダーカット!!
なんと4時間!!内容に変更があるとは言え大筋は同じであることより、4時間集中力が持つのか不安だったが、そんな不安が吹っ飛ぶぐらい面白くて長さを感じずに見れましたね。

ジョス・ウェドン版のジャスティス・リーグと比べ追加されているシーンとして、まず主要登場キャラクターの掘り下げですね。
特にサイボーグの父とのストーリーがこの映画のメインテーマとばかりにしっかりと描かれていて、ウェドン版とはサイボーグの印象がかなり変わってくる。フラッシュに関しても同じく父との関連シーンが追加されていて、こちらも人間の掘り下げが出来ていて好印象。
その分、バットマン、アクアマン、ワンダーウーマンについてはあまり追加は無かったかな。まあこいつらは各自別の映画があるんで、問題ないです。他にもステッペンウルフ側の描写、特にダークサイドについては完全にウェドン版には無かった内容なので、これには大変興奮させられました。DCについてあまり詳しくないんですけど、こいつが悪の親玉ってことですよね?MCUで言うサノスなわけですよね?これの正当な続編が見たいよ…

ザック・スナイダー映画の特徴である、シリアスな展開、美しくカッコいいビジュアル、スローモーションですが、これに関してもウェドン版から比べてもマシマシで追加されていて、余は大満足。
ヒーローの活躍をスローモージョンでカッコよく映し出す演出はザック・スナイダーの十八番であり、彼の右に出るものはいない。最高だ。これが見たいのである。さらに神話性をより強調した作りとなっていて、より重厚感が増している点も個人的にはGOOD

ここで、ザック・スナイダー版には無くジョス・ウェドン版で追加されたシーンを考察したいのですが、まず、ウェドン版ではステッペンウルフのロシアの拠点で被害にあう家族の描写がありましたが、そのシーンについてはザック版ではありまませんでした。
このシーンに関しては元の映画を見ていた時から、ジョス・ウェドンが追加したんだろうなと思っていたので、予想が当たったところ。
また、全体的にコメディチックなシーンがウェドン版では追加されていたんだなと確認ができた。フラッシュがワンダーウーマンの上に乗っかっちゃうシーンとか、フラッシュとスーパーマンの駆けっこシーンなども追加されたのだろう。
これから推察するに、ジョス・ウェドンはザック版の暗く重苦しい印象を取っ払い、明るくだれもが見やすい映画にしたかったんだろうと思われます。それは、おそらく自らがアベンジャーズで成功した経験から、ユーモアや明るさが必要と判断したんでしょうけど、ザックの映画にそれを追加したところで、どうにも中途半端なものが出来てしまうのは目に見えていると思います。ウェドン版はそういう意味で中途半端なんですよね。

あと、個人的に意を唱えたいのは、MCUの大ヒットにより、
MCU的な明るいヒーロー映画=良い
DC的な暗いヒーロー映画=ダメ
という風潮があること。
MCUは素晴らしいけど、だからといって暗いヒーロー映画がダメということにはならないし、時代遅れということも無いだろう。ジョス・ウェドンの改変にもその風潮というや考えがあったから、あんな感じの映画になっちゃった思うんだけど、元の素質を考えずに無理やり"良い"とされる方向に持っていったところで、その映画が良くなることは無いですよね。もともとザック・スナイダー特有のイメージが強烈に出ているシリーズなんだから、もうそっち側に振り切ったほうがいいものが出来るに決まっている。
そういうわけで、このザック・スナイダーカットは、ザックの作家性が純度100%で出ている映画であり、人によって好き嫌いがあるのは当然ではあるが、ザックの世界観に魅了された人にとっては、この作品は素晴らしいものになるだろう。

まあただ、この映画に元々ある問題点は相変わらずだから、やっぱり好きになれない人が多いのも分かる。

※ラストのあるシーンについてはコメント欄に記載しました。
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