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一体何故この連中の映画を作るのか?のチェックメイトのレビュー・感想・評価

3.5
「ハイゼ家 百年」のトーマス・ハイゼ監督初期の作品。
「一体何故~作るのか」と「家」の二本。
「家」の方に驚きがあった。
当時の首都、東ベルリンにおいて一般市民には家は買うものではなく、国家が建てた集合住宅にある条件下で住まわせてもらうものらしい。
公的資金援助や集合住宅への入居を一担当官との交渉でなんとかする姿。

ドアのないエレベーターが面白い。

これでわかったことは第二次大戦終了後40年近く経って首都東ベルリンがこの生活・住宅レベルという驚き。
ソ連の社会主義体制が支配的とはいえこれほど活気がないとは。
1970年の大阪万博や70~80年代西側洋画で描かれる世界と比べてまるで戦争後に時間が止まってるかのようだ。
自動車はあるが昼間の人気のなさ。
デザインからして歴史的建造物ではない集合住宅のオンボロ。

資本主義が単純に良いなどとは言えないが経済の競争なき世界の一つの姿。
社会主義というには下層の人々が困窮しているさまが印象的。
「貧すれば鈍する」の一例を垣間見た気がする。
役所で結婚式をして結婚を申請して許可する担当官の下での儀式とお説教。
やはりここではキリスト教ではいられないのだろうか。

役所の担当官はみな身綺麗だが彼らはどんな所に住んでいたのだろう。
一戸建てなどはないのだろうか、公営住宅だと思うが、申し込み交渉で希望が通らなかった人達はどんな住宅に住んでいるのだろうか。そういった疑問わきまくりで消化不良な思いだった。
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