チェックメイト

フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-のチェックメイトのレビュー・感想・評価

2.5
レビューを書く気もなかったけどやはり記録の必要性を感じたので書いておきたい。

かなりガッカリ。
まず料金が通常の鑑賞料金ではなく¥2500なのがアウト。
絵画展のドキュメンタリーでなぜ?
絵画展の入場料ならわかる。たとえドキュメンタリーほど近くに寄っていけないとしてもそれは本物を肉眼で見るのだから。肉眼でなくカメラを通した映像で何故実物の鑑賞料金より高いのか意味が不明。
製作費がどれほど高かろうが安かろうが映画であるなら映画料金でやってほしい。
この料金設定も日本国の貧困な文化行政の影響なのか。
それとも配給会社の単なる利益戦略か。納得いかずに見るのを躊躇していたがやはり大スクリーンで拡大画像を見られる誘惑には勝てず鑑賞。
ところが内容は本当に鑑賞者の思いを理解してないと言える内容。

美術館長や評論家のフェルメール賛辞が繰り返されウンザリ。
お金払ってそんなこと聞きたいヤツは誰もいない。
展覧会の意義や内容の充実を宣伝したいのはわかるが作品自体の解説が平凡過ぎて退屈この上なかった。
最新のフェルメール修復や分析などについては本当にごく僅か。
フェルメール研究ってされてないのか、そんなことないはず。
賛辞よりそういうことへの情報が作品理解に役立つはずなのに。
フェルメール好きの自分だけでなくこれを機にフェルメールの奥深さや謎を知ってもらいたい、まだあまり注目してなかった人にも不親切。
神は細部に宿ると言われるがその細部を期待したが少しだけ。
コメントダラダラ話す専門家はどこに注目したのか。細部のどこが神がかっているのかそれを語れよと言いたい。

貴重な展覧会の映像記録は一級の文化資料である。鑑賞者の目線がどういうものか理解してなくフェルメールを見せることを研究もしていない監督や製作者が撮るとこういう平凡なドキュメンタリーになるという典型だ。本当に絵や作品が好きな人にはオススメしない。
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