チェックメイト

ラヴ・ストリームスのチェックメイトのレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
3.8
ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ特集。
精神の均衡を失った姉と女遊びで現実逃避する弟、彼等や彼等に翻弄される子供たちの愛に飢えた姿が生々しく愛おしい。

人間誰でも持ち合わせいるんだけれどジーナ・ローランズの双極性障害か統合失調症特有の一線を越えた行動が描かれているとも見える。
人に合わせたり自分の主張を我慢したりしない個人主義が行き過ぎたと思われる人々がアメリカ人はその傾向がやや強いのかもしれない。一般的かどうかはわからないけれどカサヴェテスの描くアメリカ人を見る限りそう感じる。ちょっとエキセントリック。

お互いを持て余しながらも突き放した行動を取れないそれは兄弟愛なのかそれともすがる相手が必要なのか。その描き方のさじ加減が絶妙だ。
女ったらしが自分を見つめる瞬間。
他人への思いやりが果ては発散し過ぎてしまう。プールに飛び込んだり動物の衝動買い。
苦笑しつつも子供たちが不憫だなぁ。
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