女優さんがあまりに美形過ぎた少女なので現実感が乏しく感情移入できなかった。
彫刻のような顔立ちが冷血な人間のように見えるというのでもないが。
事件を起こしてからの語りは参考すべき貴重な内容だと思うが、父からの暴行や職場での排他的な処遇などが申し立てられるのだがそこを補完する映像がないため(それはそれで演出だとは思うが)イマイチオルガの演技を含めた見てくれとの差があって違和感。
もちろん自分の期待や想定もある。
申し立てる社会への抗議としての犯行ならばもっと何か鬼気迫る目力があるとか。それがない(それが実際はそうだったとしてもそうでない場合も勿論あるが)ことへの違和感があった。なにかしら一般人とはどこか特徴的な面があったと思いがちそこを見たいという先入観があるのも事実だが自分には否定しようのない違和感がある。
他人から受け入れられなく貧困の極みのような生活感には見られずそうであればいいというのではないが、或いは酒場で喧嘩せずビールを飲み合うことのできた普通の女性でもあったという描写かもしれないがいやそうだったと推測するしかない。
実際淡々と犯行に及んだのかしれない。ただ思うのはいわゆる犯行に及ぶとは思えないほどの人間性しか見せていなかったのなら彼女の申し立てる言葉をもっともっとクローズアップするとかの演出や工夫がほしかった。個人的には。
彼女の言い分には字幕に表されるコトバから判断するには一理ある、だからこそ彼女の過去の普通の生活描写より最後のコトバをより深堀りした局面が見たいと思ったりもした。
映画としてはオルガというの女性の人間性に迫った作品には見えなかった。
