ボーはおそれているのあつのネタバレレビュー・内容・結末

アリアスターの世界観でホアキンフェニックス主演て混ぜるな危険すぎるだろどんな劇物見せてくるんだ…って身構えてたけど想像していたヤバさとは少し違くてわけわからん気味悪さがちゃんとコメディっぽくなってたから良い意味で裏切られた。次何が始まるんだ、てか何見させられてるんだって二転三転していく展開が楽しかったな。

自分は意味わからないことが当たり前のように起きる前半のボー宅周りでのパートのノリが特に好きだった。その次パートの飼い殺し感もそこから抜けて現実と妄想がぐちゃぐちゃになっていくのもいい混乱だった。アニメーションとか舞台セットみたいな画もその中に混ざってきてシンプルに映像としても楽しい。

だから個人的にはその全てがお母さんの掌の上でしたっていうそれまでのわけわからなさを単純化してしまうオチがあまり刺さらなくて、なんだったん？で締めてもいいからわけわからんまま走り抜けてほしかったなって思った。実家に着いたあたりでもうこっちの体力も切れてきて、しかもそのタイミングでこっちが楽しんでた今までのメチャクチャな展開をただのトゥルーマンショーにされたから水を差されたような気分になって萎えたのかも。俺はあんまりお母さんとの確執とか興味持てなかったな。最後まで全裸で走り回らせてくれよアリアスター。

そういう映画じゃなかったのかもね、ぶっ飛び展開のライド感で満足させる以上に毒親に支配されて自立性を持てないまま大人になってしまったその子供と親の関係性の不気味さに焦点を当てた割とお行儀の良い映画だったのかな。もう一回観るのしんどいけど機会あればまた観直したいな。