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鳩の撃退法のRenのレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
2.5
うるさくない方の藤原竜也。てんでバラバラな事件に線を引いていく『パルプ・フィクション』感と、創作が現実を越える感じから「今昔タランティーノ ハイブリッド映画」のようにちょっと思いました。あまり無い手触りの邦画。

原作未読のためなんとも言えませんが、この手の映像化は情報の整理もストーリーの推進も大変だったことは容易に想像がつきます。そういう意味で、かなり「頑張っていた」映画なのではないかと感じました。出版・文学のワードから『騙し絵の牙』っぽいのかな?と勝手に思っていましたが、あれほどカラッとしたエンタメでもなく、より「考察してね〜」感が押し出されていた感じです。ただ、あまりにヒントが無さすぎる・複雑すぎるきらいもあり。
冒頭でタランティーノの名を拝借したのは、「創作は現実に救済を与えるか?」という命題が、『イングロリアス・バスターズ』以降の彼の作品群と通じていたから。現実パートと作中作パートが徐々に混ざり合っていくストーリーテリングと、終盤のある非現実的な演出がこのテーマを如実に表していると思いました。一から十まで理解はできなかったけど、汲み取ればやりたいことは分かる....的な。正直、面白かったかどうかすらイマイチ消化できていません。
以降はちょっと苦言になりますが......土屋太鳳らが、バレたらヤバいよ、と言っている事件の全容が良く把握できず、どれくらいのヤバさか分からなかったのでハラハラできなかった...というのは惜しかったです。あと、登場人物がみな記号的というか、キャラクターのためのキャラクターというか、所謂感情移入してしまうほどの人間味がなかったのもちょっと残念ポイントではありました。でもそもそも現実をベースにした「劇中劇」が主なので、キャラクターに ”動かされている感” があるのは当然のことかも。
現実と創作がすっと交わるところも種明かしのイヤらしさが無く、全編通してなかなかストイックな作りだったのではないかなーという印象です。

風間俊介をスクリーンで観たのは初。私はテレビドラマもほとんど観ないので、”ディズニー好きの優しそうなお兄さん” というイメージが先行していたのですが、自然なお芝居ですごく良かったです。映画出演増えてほしいなー。