ショウコ

鳩の撃退法のショウコのレビュー・感想・評価

鳩の撃退法(2021年製作の映画)
3.1
「マンガ家がマンガを描くマンガ」「監督が映画を撮る映画」…と来たら「小説家が本を書く小説」も出ますよねー。でもやり方が汚ぇぞ!と思った

小説家が些細な出来事から超絶妄想力で話を膨らませて本を書くまでを描いた日常系ミステリ📖
…と言い切っちゃって良いと思うんですが、時系列やらメタ視点やらをゴチャ混ぜにしているため凄く分かりにくい。またその小説家自身もストーリーに一枚噛んでるので、話の中でのフィクションかノンフィクションなのかがボヤけて来て整理が追いつかなくなる

ムダに脳に負荷をかけたり気障りなセリフ回し(私は結構好き…)で悦に浸るといった不毛な楽しみ方が出来る映画です




「喫茶店でたまたま出会った男」「一家失踪の新聞記事」という2点を結びつけ実はこうだったんじゃないか?と推理を重ねていくわけですけど…問題は矛盾がめちゃくちゃある事❌

これ、小説家自身が知り得ない情報を元に話を作ってるんですよ。たまたま出会った男が従業員から電話を受けた事なんて知ってるワケが無いし、客の郵便局員の相手の顔も見ていない。見たとしても知らない人じゃん。それを基礎に展開させていくので物語としちゃハナから壊れてます

普通の映画ならクソ脚本って言われる所、「架空の小説家のガバガバ妄想なんで」という逃げ道をあらかじめ用意してるんですね。登場人物がやたら多い所とか速いテンポ、時系列シャッフルもカモフラージュでありケムに巻いてツッコませない為の保険でしかない。何よりラストの「小説家の前に現れる人物とその行動」すら全くもって推理の裏付けにはなっておらず、観客には最後まで真実は提示されず終い。なんという虚無😪

んでこのコピー文でしょ?テンションで書き殴って破綻すべくして破綻したほとんど事故みたいなものを、あたかも計画的に仕込まれた高尚ネタの様に言い張り、さらには釣り餌にまでしちゃう所に大人の汚さを見た

普通に俳優さんを殴ってるんじゃないのか?と思わせてくれるアクションや演技全般は皆さん面白くて良かったです。映像も◎
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