ジーハ

I ~人に生まれて~/人として生まれるのジーハのレビュー・感想・評価

3.6
先月無事に閉会した
2021年度大阪アジアン映画祭で
公開された台湾作品。

衝撃的。。

これぞ映画祭の醍醐味(笑)
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美術
展開

すごく面白かった。

「  人として生まれる  」

このタイトルが観終わったあと
こんなにも重く心に刺さるとは….


あらすじだけでも
十分センセーショナルです(以下)

女の子とゲームに興味が尽きない年頃の
中学生・少年シーナンに度重なる血尿と貧血が襲う。膀胱癌を恐れ両親に連れられて行った病院の医者から告げられた病名は「性分化疾患」。
一つの身体に男性と女性、二つの生殖機能を持つ体に生まれた彼には生理が始まってしまっていたのだった。性染色体検査の結果、医者は「性別適合手術を受け、女性として生きるべき」と彼の両親に告げる・・・。

お気づきかと思いますが、
これは普通のLGBTQのくくりじゃない。
テーマは「人ととしての尊厳」

男に生まれて自分はそのまま男として
生きたいのに、本人の意思は無視され
性転換されてしまう…

本人には性分化疾患と知らせず、病気
を治すためだと手術を受けさせた両親。
目覚めたら痛みと共に性器は切除され
 "あなたのためなのよ。
 これから女の子として生きましょう"

て、いきなり両親から言われるって…
そんなのってありかっ?!!
…自分ならそんなの絶対に納得いかない。

でもシーナンは自分のその境遇を
頑張って受け入れようと努力する。
名前も変え田舎から街の学校に転校。
そこで可愛いくて優しい親友
(ホントは彼女のことが好き)もできる。

でもそれもつかの間…
彼の努力とは逆光するように周り
のシーナンに対する愛情の空回り
が酷くなっていき、彼の思いと全く
噛み合わず歯車がどんどんズレていく…

そして絶望の淵に立ったシーナンの選択。

シーナンを演じたリー・リンウェイ。
「彼女」は少年から少女になり精神的
に追い込まれる難しい役を演じきり、
映画祭では主演女優賞を受賞しました。
(鑑賞作品だったので嬉しい😊)

監督はリリー・ニー女性監督です。
作品にはどこかSFチックな雰囲気や
ホラー的な音や緊迫感もあって
色や映像も独特。センスがある。


思いのほか長くなってしまいましたが…
これはぜひ日本でちゃんと公開して
色んな人に観てもらいたい。
配信くらいはしてくれないかなぁ〜

↓予告編です。気になる方は一度ぜひ。
https://m.youtube.com/watch?v=QLBuw9s0J3o
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