時代劇で今の社会を告発する。
強烈なメッセージは、完璧な時代劇の姿で表現された。
浪人の生き様に、大きく揺さぶられた。
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長屋の前を歩く女郎の後ろ姿。
気がつくと、鬼の面を付けている。
バックに流れる音楽が、胸騒ぎを煽る。
この最初のカットで、がっちり胸ぐらを掴まれる。
（芋生悠さんなんだけど、全く分からんかった）
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浪人者が二人登場する。
渋川清彦と窪塚洋介。
ぴりぴりと張りつめた空気。
びりびりと痺れるような視線のぶつかり合い。
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神社の境内。
切腹の場。
何の因果か、腹切りを命じられる浪人。
捨てぜりふに、ハッとした。
「死ぬ前に一つ言っておくがな、疫病を広めているのはおまえらなんだよ。おまえらがモノノケに喰われちまっているからさ。今この時も。疫病を野放しにして、貧乏人を殺してるんだ。百姓から年貢をせしめて、天下を牛耳ってるつもりかよ、おう」
え〜、それ、今、みんなが思っていることじゃない？
この国のことじゃない。
え〜っ。
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そして、切腹の場面。
「諸々の罪穢れ禊て清々し…」
この文句を述べる窪塚くんの姿がまさしく清々しい。
これだけでも見て良かったと思う。
そして、渋川さんの顔を真っ赤に染める血しぶき。
黒澤映画かよ！っと思わせる圧巻のラスト。
もう、「ごちそうさまでした」しかない。
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豊田利晃監督狼蘇山三部作より。
DOKUSO映画館にて鑑賞。
