QTakaさんの映画レビュー・感想・評価

QTaka

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ある日、ある女。(2022年製作の映画)

3.9

日常に”カット”は無い。始めから終わりまで、ワンカット。
淡々と、もしくは強引に流れていく日常こそ、ワンカットなんだね。
それをそのまま撮ろうとすると、それはそれは大変なことになる。
ーー
過去に鑑賞
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.7

記憶を辿る不思議なストーリー。
モノクロ静止画とナレーションと音響効果。
たったコレだけの表現で、こんなにも惹き付けられるのか。
たった27分55秒で、こんなにも長い物語が描けるのか。
記憶の中の女性
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の方へ、流れる(2021年製作の映画)

3.5

お久しぶりの唐田えりかさんでした。
男女の掛け合いは、互いに揺れながら、バランスを維持する、氷上の綱引きのようだった。
それは、互いを演じつつ、夫々を見つめつつ、理解するというより、攻撃的で、受け入れ
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そこにいた男(2020年製作の映画)

4.0

『34分。』
そんなに短いはずが無い。
もっと、ずっと多くのものを見た気がする。
そんな短編だった。
(中身は、フルサイズ以上だった。)
.
突然始まる惨状。
そこへ至る女と男の物語。
なのだが、冒頭
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れいこいるか(2019年製作の映画)

4.0

神戸、震災、追悼。
表向きに語られる物語とは別に、一人ひとりの、その日その瞬間の出来事が有り。
それぞれの、その後の人生も有る。
その日を境に、大きく変わっていった人生も有る。
語るほど、ダイナミック
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浜辺のゲーム(2019年製作の映画)

3.0

男たちがどんなにだめ人間でも、女たちは勝手に物語を進めていくんだな。
肩で風を切るように、スクリーンの真ん中を歩んでいく女たち。
.
主役達は、3人の女友達。
その周囲に絡まる男たち。
ここで出てくる
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クナシリ(2019年製作の映画)

4.0

あまりの違和感と、身近さの混在が、感情を拒否させてしまったのかもしれない。歴史の厳しさと、悲しい現実に混乱を憶えた。
そして、ソ連-ロシアという国が見えてきた。
.
島の風景は、北海道のどこかの海岸線
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全員切腹(2021年製作の映画)

4.1

時代劇で今の社会を告発する。
強烈なメッセージは、完璧な時代劇の姿で表現された。
浪人の生き様に、大きく揺さぶられた。
.
長屋の前を歩く女郎の後ろ姿。
気がつくと、鬼の面を付けている。
バックに流れ
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破壊の日(2020年製作の映画)

4.1

”疫病退散”。
物語の背景に、この年(2020)の日本が有る。
その時を振り返る時、この映画がまた別の輝きを放つのかもしれない。
.
映画は企画段階から、東京でのオリンピックを念頭に置いていた。
この
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狼煙が呼ぶ(2019年製作の映画)

4.1

武骨な銃が呼び起こす物語。
その昔、一体何が有ったのか…
.
尺八の音をバックに、山をかける浪人。
山深い山林に囲まれて、鳥居から見上げるように続く参道の石段。
鳥居にて一礼、そして引き寄せられるよう
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偶然と想像(2021年製作の映画)

3.8

物語は、日常の中に、突然生まれる。
涌き出ずる会話の波に、耳を傾けてみる。
スクリーンには、不思議な姿が浮き上がってくる。
そこには、演じる役者の姿は無く。
あるのは、生きた人間の真摯な姿。
濱口監督
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グレタ ひとりぼっちの挑戦(2020年製作の映画)

4.0

その少女は、突然現れた。
北欧の小さな国から、突然世界に向けて、メッセージが発信された。
大人たちは、ただただ、慌てるだけだった。
.
グレタ・トゥーンベリの主張は、世の中には突飛で、ピント外れな、受
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MIRRORLIAR FILMS Season1(2021年製作の映画)

4.0

短編オムニバス映画の第一シーズン作品。
9人の監督による9作品。
枝監督のTwitterで無料配信に気づいて鑑賞。
気になった作品をレビュー。
.
『さくら、』監督安藤政信
冒頭、3人の男女が「食べる
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パリは燃えているか(1966年製作の映画)

3.8

ヨーロッパ大陸における第二次世界大戦は、日常生活と隣り合わせに存在した。
そんな戦争の姿をこの映画に確認できる。
.
ナチスに支配されたパリの街を奪還する物語だ。
ナチス内部は、綻びが目立ち始め、冒頭
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引っ越し大名!(2019年製作の映画)

3.3

引っ越し大名! (2019)
監督:犬童一心

実に爽快で愉快なチャンバラ映画だった。
同時に、『武士』の生き様というテーマも有ったように思う。
その時代(江戸)、既に”戦士”としての役割を失った『
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星を継ぐ者(2015年製作の映画)

3.5

”魔女””超能力”そして軍事機密。
奇想天外な能力をテーマにしたSF。
抑制の効いた会話など、全編に渡る冷たく硬い雰囲気の統一感に完成度の高さを感じる。
.
吉岡里帆さんを含め、主要キャストの示す雰囲
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ユートピア(2018年製作の映画)

3.5

.
童話の世界から、ディストピア、現代日本、そしてユートピアとは。
この物語が提示した風景は、今、私たちが受け止め、考えるべき風景。
今、社会や自分の場所を考える。
.
『我々はどこから来たのか 我々
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朝をこえて星をこえて(2017年製作の映画)

3.0

日常にちょっと花を添えて見ると…
そんな現実へのファンタジー。
子供に夢が必要なように、お年寄りにも応援が必要だ。
それは、やはり先立った奥さんの声なのか。
.
野本監督の作品は、舞台やテーマに特徴が
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BLUE(2016年製作の映画)

2.3

ユートピア映画。
地下空間の生活と地上への思いを巡って物語は展開する。
この世界と別の世界。
.
空想物語の場合の常で、舞台設定が重要且つ複雑。そこの処理がショートフィルムとしてとても上手くまとまって
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霞立つ(2018年製作の映画)

3.5

卒業を控えた女子高生3人組み
キャスティングが、物語の展開を大きくするのかな。
この三人だからこうなった?
.
女子高生のわちゃわちゃドラマというと、チョット引いちゃうのだけど、そこはキャストを見て判
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次は何に生まれましょうか(2019年製作の映画)

3.2

野本梢監督が描く”普通”を問う物語。
娘を思うように育てられなかったかもしれない母親。
幼い子どもの姿に、不安を募らせるシングルマザー。
親と娘は、それぞれに親としての眼差しを持ち、そこに苛立つ。
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わたしが発芽する日(2016年製作の映画)

3.2

自分は何処に居るのか。
誰と共に在るのか。
大切な人とは誰か。
自分の現在地を確認することは難しい。
.
人と人の関係は、恒星と惑星のように、一方を中心に回っている。
その関係は絶えず変化し、時に立場
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ふたり~あなたという光~(2021年製作の映画)

3.0

障がい(害)者を家族に持つということについて、考えるきっかけになるだろう映画の一本。
私たちの生きているこの社会にはいろいろな人が居て、いろいろに生きているはずなのに、”ふつう”に生きる事ばかり求めら
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そこからの光 未来の私から私へ(2020年製作の映画)

2.5

”多発性硬化症”という難病と闘った人たちの姿を描いた映画。
治療法が現在も確立されていない難病を発症した実在の女性の姿が描かれている。
それは、 一人、その難病に苦しむのでは無く、自らも病気を克服しよ
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閃光(2018年製作の映画)

3.3

未来とか、過去とかより、今、現在を生きているだけの二人。
その、刹那な時間とその場所が描かれている。
そこには、一体どんな空気が有ったのだろう。
.
石橋監督の作品としては、ちょっとアダルトな作品。
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ぱん。(2017年製作の映画)

3.5

天才か?変人か?いや、きっと女神に違いない。
という妄言を吐いてしまう程、中毒性の有る女優”辻凪子”の危険な映画でした。
.
パン屋さんでバイトしていたと言うのは事実だったらしい。
寝坊していたのも事
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くじらの湯(2019年製作の映画)

3.2

この絵は…何?
「絵が動いている!」
それってアニメーションって事なんだけど。
というか、それがアニメーションなんだなって納得させられた。
この絵のタッチ、それが動き出したときに広がる世界。
ただただ
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きえてたまるか(2019年製作の映画)

2.5

見終わってからジワ〜っと来る映像。
大学生活の小さな記憶を掘り起こしたような映画。
チョットずるいかもしれないと思う。
それは、多くの人の記憶に訴えるテーマだから。
そして、映画のスクリーンの向こうに
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雨のやむとき(2019年製作の映画)

2.5

居場所のない子供たち。
子どもの目線で日々を描くと何が見えてくるのか。
あらかじめ設定された社会を上手に生きられない子供たち。
.
子供の姿を子供の立場で、子どもの目線で描くと、その世界の生き辛さ、難
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センターライン(2017年製作の映画)

3.1

”AI”ってなんだ?
万能マシンなのか?
チョット難しい”AI”の舞台裏のお話。
.
昨今、なんでもかんでも”AI”まかせが流行っている。
日常生活に家電製品と共に入り込んだ”AI”もあれば、巨大IT
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花に嵐(2015年製作の映画)

3.5

2020年終わりの一本で、映画らしい映画に出会った。
ストーリーなんてない。
「撮りたいから撮った」映画だった。
.
手持ちカメラが走りまくる。
こういう映画は今までにも観てきた。
映画の原点のような
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空(カラ)の味(2016年製作の映画)

4.0

心の内の感情の揺らぎから物語が生まれる。
主演の堀春菜さんは、そういう演技をされる俳優さんだ。
.
ホンの小さなボタンの掛け違いなのだろう。
心の揺らぎが抑えられなくなる。
与えられた環境が空気のよう
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凪の憂鬱(2019年製作の映画)

3.3

辻凪子を見た。
2020年最後の映画が辻凪子だった。
なんで?
.
普通に可愛い女の子だった???
でもちょっと”凪”って感じだった。
それで十分良かった。
今年最後の映画が、コレで良かった(?)
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ミニオンズ(2015年製作の映画)

2.5

一目で分かる悪い奴らですが、ホントに奴らは”悪い”です(笑)。
と言うか、悪い事が好物な奴らです。
そのミニオンズ本編とは別の、前日談を描いた一章。
.
映画『移動都市/モータル・エンジン』では、近未
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