ひろぽん

コーダ あいのうたのひろぽんのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

家族の中で唯一自分だけが健聴者で、両親と兄が聾唖者である家族の愛の物語。

ルビー・ロッシ演じるエミリア・ジョーンズの歌声を聞いたら涙が溢れてしまった。
ただ歌が上手いだけじゃなくて、人の心を虜にする才能を持った天性の声だなって。

高校に通い、耳の聞こえない家族の翻訳をし、仕事の手伝いで船に乗って漁をし、合唱部に入り音大に合格するために練習する姿はルビーの強さを感じた。

V先生の
“大切なのはその声で何を伝えるかだ。”
ってセリフが印象的だった。
先生の教えは厳しくも愛があり、最後の試験の時にピアノでワザと間違えるシーンはカッコよかった。

個人的には、『シングストリート』に出演してたコナーが成長して、今作にマイルズとして出演してたフェルディア・ウォルシュ=ピーロが激アツだった!
マイルズも音大に落ちて、親にやらされていた音楽から解放されて良かった。


母親がルビーに
“あなたが産まれてくる時、聾唖であることを願っていた。耳が聞こえると分かって酷く落ち込んだ。”
というシーンの
“分かり合えないと思ったから。“
って理由を聞いた時は泣いてしまった。

父親が発表会後にルビーに
“俺のために歌ってくれ“
というシーンは首に手を当て、振動として歌を感じとるシーンも涙が…

兄貴が隠れててルビーに見つかった後に、
“お前が産まれる前までは平和だった。”
“自分の人生を無駄に生きるな”
“こんなんでも兄貴なんだぜ。”
などなど言うシーンの兄貴の言葉には愛がたくさん溢れてた。


一番の見所はなんと言っても、発表会のルビーとマイルズのデュエットの“無音”になるシーンの演出!
聾唖者の世界観に引き寄せられる演出にはド肝を抜かれた。

ヤングケアラー問題について考えさせられた。ほんの少しスパイスの効いた下ネタとルビーの美声、音無しの手話を楽しめる最高の作品。

大切なことは言葉にして、ちゃんと伝えなきゃな。
ひろぽん

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