てつこてつ

コーダ あいのうたのてつこてつのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.9
主役のエミリア・ジョーンズがとにかく魅力的。

聴覚障害の両親と兄を持ち、唯一健常者のヒロインが家族を支えながらも自分が声楽の道を志す青春ストーリー。

聴覚障害者を取り巻く環境が、現在においても決してフェアではないことをリアルに描きながらも瑞々しさに溢れていてとても好感が持てる。

ヒロインが高校の発表会で歌声を披露するシーンでは家族も会場にいて娘の晴れ姿を見守っているのだが、彼らにはなんの音も聞こえてはいない現実を音声なしのシーンとして挟んでいるのがとても効果的。

母親役のマーリー・マトリンが、かつて「愛は静けさの中に」で聴覚障害者の女優さんとして初のオスカー主演女優賞に輝いたのが懐かしいが、いまだに美しい。父親役、兄役の俳優さんもおそらくリアルに聴覚障害を持つ方だと思うが、こういう人たちにちゃんと演技をするチャンスを与えることが出来るというのもハリウッド映画の良いところ。
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