父と母、兄と暮らすルビーは家族の中で唯一耳が聞こえる高校生。家族の為に通訳となり、家業の漁業を支えていたが、新学期になって入部した合唱部で顧問の先生から歌の才能を見出されて…な話。
割と予想通りの展開で話が進み、予想通りの着地点で終わるけれど、主人公の歌の表現力と選曲の素晴らしさ、そして障害者のセクシュアルな部分まで深く描いたところは素晴らしいと感じた。
ルビーにとっても家族にとってもお互いが大切で、生活していく上では欠かせない存在。でも、初めて外の世界で認められたルビーに家族達は戸惑いながらも応援しようとする。音大受験がまるでアメリカンネクストアイドルのような歌一曲披露で決まるのかとか色々と不思議なところはあるものの、まあエンタメなんだしいいんじゃなかろうか。
障害者を守られるべき清らかな存在として描くのではなく、ちゃんと働いて生計を立て、不当な圧力には抗議して漁業組合を作って反発し、酒場で出会った女の子とイイ仲になる。そんな当たり前のことを当たり前にやるのも、自然でいいと感じた。
