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チマキ売りのmingoのレビュー・感想・評価

チマキ売り(1969年製作の映画)
3.8
「モーレツ花嫁〜」でもヒロインを演じていた女優が本作でも浮気される母親役を担当。冒頭男性ものの下着がベッドに置いてあったことから(策略にハマった)父親チービンが「おれなんてバレないように昼間に外で会っているのに!」とビンタを繰り出すおかしい様相で物語は開幕する。街のチンピラや隣の家のおばさん、風船売りのおじさん(モーレツ花嫁の男の父親と女の母親役の俳優陣)もみんなキャラが濃く総出で、台北で裕福な暮らしをしていた一家が離散になるが家族が再生へ向かうシンチー監督渾身の台湾ホームドラマ。3人の子供を育てるために孤軍奮闘するチービンだったが入院するくらいの怪我をしたり血迷って赤ちゃんである次女シウツーを他人の家に手放したり不幸は連鎖していく一方、深夜にチマキを売り歩く長女シウグァンと靴磨きに精を出す長男ホンブンの真摯な姿が胸を打つ。メロドラマ的要素で涙を誘う場面が多いが他のシンチー作品同様コメディ部分の要素も強めで、冒頭のノワール的な演出は日本で映画を学んだシンチーの手腕が窺える。
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