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シン・仮面ライダーのHKのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.4
もう庵野秀明の好き放題というか、間違いなく自分のためにだけ撮ってますね。
完全に学生時代に自主制作した『帰って来たウルトラマン』のあのノリです。
そういえばこの人、『キューティー・ハニー』なんかも撮ってたのを思い出しました。
当時から成長してないのか、それとも当時から既に奇才だったというべきか・・・

今回は仮面ライダーはもちろん、『キカイダー』『ロボット刑事K』『イナズマン』などもう石森章太郎オンパレード状態。
クレジットにはアドバイザーに石森章太郎のご子息である小野寺章氏の名も。

そして“シン”シリーズ中では最も庵野の美少女フェチというかエロオヤジ目線が発揮された作品ではないでしょうか。
撮り方がもう臆面もなく浜辺美波にデレッデレ。
顔のアップが長い、まだ撮ってる、まだまだ撮ってる、庵野が萌えている・・・

本作では、まさに昭和のダサカッコイイ仮面ライダーが+αで再現されていました。
赤いマフラーと戦闘員たちが昭和ライダーの証です。
菊池俊輔の今聞くと懐かしくもチープな音楽に乗ってのアクションはちょっと『キイハンター』なんかも思い出してしまいました。

『シン・ウルトラマン』のときに庵野が監督しなかったせいで面白くなかったというレビューがけっこうありましたが、本作を観ると『シン・ウルトラマン』が庵野の脚本通りに忠実に撮られていたと想像できます。樋口真嗣は責められすぎでちょっと可哀そう。

今回も同じ決めセリフの繰り返し、実相寺風のカットもあるし、怪獣の着ぐるみにこだわったように今度はライダースーツやマスクもしっかり1号・2号・新1号それぞれにこだわってます。
なによりウルトラマンの時同様に自分の大好きな作品の名シーンを自分なりにアップデートして再現できることが嬉しくてたまらないオタク魂があふれ出しています。

エンディングでは主題歌が3番までフルコーラスだし、懐かしいエンディング曲も流れるし、クレジットを見ると、あれやっぱり長澤まさみだったのか、とかこんな人たちどこに出てたの、とかコレもやっぱり見る人たちより、作ってる人たちの方が絶対に楽しんでいる作品なんだろうなと思います。
(ちょっと長かったのでWライダーとザコライダーたちが戦ってる間にトイレ・タイム)。
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