肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

おかしな子の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

おかしな子(2021年製作の映画)
3.8
おかしいのは私かオマエたちか?
嫁いで半年未満の夫に逝かれてコーラをせがむ私か腫れ物のように扱い遺産をせがむ親族たちか?
夫へのわだかまりを残した若未亡人の葬送と始発のインド13日間

「女性が賢くなると世間はイカれたと言うの」

もうドロッドロですよw
と言っても下品で昼ドラ的な俗的なドロドロではなく、嫁いだ義親族との心情や思惑が絡んだ「群像劇」な側面もあるドロドロさです。

Netflix'sボリウッダーの皆様でもいい加減「女性が」「男尊女卑が」「女性の自立が」の同ジャンル、同テーマに食傷気味、飽きてきた頃合いのように思いますが、まだまだ『意義』があることだと"再認識"できる映画だと思いますよ!
特にアメリカやヨーロッパ、日本でさえ蔓延ってることも気づいていない"女性への障害"テーマが、"隣の芝生"的縁遠さを未だ持っているかも知れませんが、ハリウッド「映画業界」が率先してその役割を果たすようにボリウッド界も連続として"風刺"を打ち出していく。
その"変容の時代"を門外漢ながら目撃してるような状況に感じるんですよね。

話が本編とはそれましたが、主人公のキャスト(ビジュアル)選考も絶妙だなと思ったんですよね、この映画。
主演のサーニャ・マルホトーラさんはエンタメボリウッド映画のヒロインにされるような"スレンダー100点満点美人"ではハッキリ言ってない。亡き夫の元恋人(不倫じゃないんだからね!)のアジアンビューティー(片瀬那奈さん似)さとは比較してしまうと見劣りする気もするし、なんなら一緒に葬送期間に滞在する親友よりも"可愛気"がなかったりする、若い頃のアン・ミカさんのようなイメージです(知らないけどw)
そういうビジュアル的配役って、一般女性の"等身大さ"や"共感性"に一役買うと思うんですよね。

そんな彼女が充分に愛を育んだかも怪しい嫁いだ家の夫が早逝してしまい、学歴がある彼女の行く先を義家族で揉める、終いには高収入で一家の主柱となっていた夫だけに、ローン問題、保険金遺産問題のいや~~~な金銭問題も絡んでくるという踏んだり蹴ったりな13日間を描きます。

日本もストップモーション人形劇『KUBO』で取り扱われるくらい葬式事は特殊な国ではありますが、インドはインドで"宗派"大いに関わってくるんだから他国にとっては異様です。
そういった"生活感"も案外ボリウッド映画で味わってこなかったので斬新ではありましたね。
神聖な不浄のドブ川であるガンジス川での儀式、あの観光地のタクシー営業かってくらいの骨壺を持った親族にガヤガヤと話かけてくる醜さといったら辟易してしまいましたよ…(笑)

この映画の高評価の要因として"歌とダンス"がボリウッド映画の主要売りではありますが、今作はダンスなし歌も当人たちが歌っている体もない"歌がよく流れるタイプ"のボリウッド映画主流の1つです。
でも珍しいくらい主人公の心情を伝えるのに相応しい歌詞で、ディズニーミュージカルのような"エモーショナル"さも込みで非常にノり易い歌の数々だったんですよね。
歌が入る最初の曲の「なぜか悲しくないの」的な歌詞の曲調から一気に"共感"を掴まれる人もいるんじゃないでしょうか。

そして導かれる主人公の決断。ここは疑問に思ったり、ツッコみを入れる方も中にはいるのでしょうが、"女性の自立心"を上手く昇華させ様々な"尊重"を配慮した"新しいインド社会の『形態』の1つ"ではないでしょうか。
なにより夫との後悔に見切りをつけ、骨を埋めようとするその「覚悟」がカッコいいですよ。