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走り来る男のmingoのレビュー・感想・評価

走り来る男(1989年製作の映画)
4.5
クソ兄貴だと思ってたけど実は…兄弟エモーショナルが爆発して唐突に涙が頬を伝うほどの超絶大傑作。オールタイムベストに食い込む映画パワー、我茫然自失なりけり。柳町光男「さらば愛しき大地」(の上位互換)に通じる土着性と、攻撃的かつ暴力性を孕みながらも優しい視線を放つJFステヴナンから目が離せない!登場人物(「冬の旅」のサンドリーヌボネール)と同じように観る側もいつしか彼に支配され終いにはこの映画が終わってほしくないとさえ願うこと必至!ヌーヴェルヴァーグを支えたラウルクタールの卓越した撮影も、水と火を同じ画面に閉じ込めた湖のほとりのステヴナンの哀愁放つ丸い背中も、超絶〇〇のラストシーンも高揚しすぎて全部が全部言葉にならない。
同じ89年のカイエベスト1の「ドゥザライトシング」観るなら5億%こっち。古典とヌーヴェルバーグの空気を纏いながら80年代後期〜90年代ニューシネマの先頭に立つべき映画ではないだろうか。今年一の拾い物。ダネーの「ジャックリヴェット、夜警」内でリヴェットが愛した映画なだけはある…飛び抜けている…
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