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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のJINのレビュー・感想・評価

4.3
音楽ドキュメンタリーなら映画館で観ておかねばと。
自分は大の音楽好きながらブラックミュージックには疎い方で、、別名「ブラック・ウッドストック」と呼ばれた「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のことも今回初めて知った次第
しかもこれだけのメンツ、集客、内容の映像が50年も埋もれていたことにも驚き。

1969年当時、まだ黒人がいかに社会的に虐げられていたのかという背景も色濃く浮かび上がらせている内容なので、これを不都合な歴史のように捉える人達によって矮小化させられた結果、50年もの間埋もれてしまうことになったのかもしれない。
このフェスの熱気を目の当たりするとそう考えざるを得なくなる。

フェスは冒頭のスティーヴィー・ワンダーからいきなりグッと掴まれる。
ブラックミュージックが大好きな人達なら垂涎ものの内容だろう。
R&B、ソウル、ポップス、ゴスペル、ジャズ、ラテンなど様々なグルーヴも楽しめる。
圧巻だったのはやはりスライ・アンド・ザ・ファミリーストーンのパフォーマンスだろう。

音楽的にも、歴史的にも上手く編集されていてとても見応えのあるドキュメンタリーだったと思う。
映像を観ながら当時を振り返る人達の言葉からかけがえのない思い出に感じられるのが伝わってきて新鮮だった。
今の社会の格差と分断をあれこれ考える上でも有意義な作品。
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