初日レイトで楽しんできた
キッチュでタフで泥臭くてバカバカしいのにアツい、銃器と拳でわかりあう系の女子会バイオレンス映画だったー
戦闘女子映画でちょっと前に公開されてた355なんかよりもこちらを観るんだ！
腕とかちぎれてたりするしこっちも殴られるし撃たれるし…血塗れのハードなコンバット多いし、武器もユニークで（斧とかトンファーとか！）工夫をこらした戦闘シーン多いせいもあってずっと小出しにおもしろい
逆にそのせいでなんだかずっとプラトーというか…ストーリー全体としてみてみるとメリハリと盛り上がりが足りないように感じてしまうのだけがとことんもったいない
女として人生ベテランすぎる姐さんたちから8歳9ヶ月女児までよせ集めの6人、血が繋がってても繋がってなくても、自分で育てても育ててなくても、互いを思いやれてそこが帰る場所ならそれはファミリーなんだよって感じですこぶる良かった
もちろん話の一部には冒頭から語られるスカーレットとサムの母娘関係は絡んでくるけれど、女達の関係性は年長者から年少者への一方通行の教えや諭しや手助けで完結しておらず、時にはこどもがおとなのピンチを救う絶対的な立ち位置を取ったりしてて互助なのが良い！
なので親子映画ではなくシスターフッド映画に是非とも分類されたい
過去はともかく現在の彼女らの行動のトリガーに男がほとんど絡んでこないのも気持ちがいい（父親達は死んでるし、死ぬし）
355やブラックウィドウ（のレッドルーム周囲）描写でガッカリした成分＝愛情や従属、性的関心を利用する対象としての男 が今作には無くてとても気持ちよく観られた
そうだよ、肌を見せなくても恋愛要素が一切なくとも女性陣が主役の映画は成り立つのだよね
アトミックブロンドとかパーフェクトケアみたいに女が男相手に闘う作品の一部には性愛の対象が男ではないから男に依存しない的な同性愛描写があったりもするけど、今作にはそれも全くなくて
年齢制限が性表現でなく暴力描写に全振りって…とんでもねぇだろ（大好き！）
なお性別云々に関しては作中声高に誰かが何かを言うわけじゃないのに、終盤の敵のボスの語りにハァ？お前何言ってんの馬鹿じゃね？？？ってなるとこまで完璧だった
思えば日常生活で普段相手にするアタマの中身が旧体制のおっさん達にも同じ事思ってるので
わたしたちも奴らの脳天に引鉄を引きたいけど残念ながら脳内でしか出来ないのがねー悔しいよね
懐メロ的な選曲と感傷的なヴォーカルに合わせスロウで流れるユニークな銃撃戦はひたすら楽しいの連鎖
イングロリアスバスターズやワンハリ、ホテルエルロワイヤルのガンファイト好きなひとならたまらないやつだと思うしスカーレットやサム、フローレンスの二丁拳銃の構え方は処刑人の双子を思い出す
最中に敵のアタマをミルクシェイクのグラスにぐしゃ！とか、手下の身体を銃弾避けの盾にしつつ自分はガラスの壊れて開いてる窓からダイブで逃走、とか画面の隅々までおかしくて何度でも観れちゃうやつ
組み立てがおもしろいのはガンファイトだけじゃ無くて接近戦もだった
武器がメスやナイフ、両手にハンマー、果ては鎖、て！ミシェルヨーはコンティニューやシャンチーで剣技や格闘技の師匠的な役割こなしてるけど、今作も細腕なのに謎の説得力があるしものすごく憧れる
最終戦で観られる制服の下の美脚も素晴らしくてこちらの背筋も伸びるというもの
個人的には笑気戦、麻痺して動かない腕をどうにか体幹から離して闘うにはどう動くか？＝遠心力を利用しよう！＋負傷して移動に制限のある男3人をどう絡めるか？？って相当色々考えられた上で作られてるのでファイトコレオグラファーは大変だったと思うのよね
3バカがゲラゲラ笑っててせっかくの努力と苦労を感じさせないシーンになってて、それでいいのー⁈もっと賞賛されるべき！って思ってしまった
レトロポップなネオンサイン、チープでカラフルなダイナーだけでなくクリーンでシンプルな（のにBONSAIが飾られてたりする）病院、女達の職場であるクラシックで重厚な雰囲気ある図書館、アジトらしい山奥のロッジ、高級革ソファが鎮座してガラスの向こうの夜景が美しいオーセンティックなネイサンのオフィス…場面ごとにヴィジュアルのテーマが全然違うのに各々の方向にこれでもかときちんと振り切れててどれも『らしく』て美しくて、画面の隅々まで気を遣って&楽しんで作られてたのも良かった
教養が足りなくて哀しくなったのはわたしが文学に疎いせいで図書館の蔵書たちのチョイスの素晴らしさがなんとなくしかわからなかった事〜！姐さん達の歳になる頃には制覇していたい
本国公開とは時期がズレたお陰で奇しくも(本国では)ちょうどガールスカウトがクッキーを売る季節に日本公開になったのでエピローグのキュートかつお前のタマはこっちが握ってっからな感、妙に良かった
8歳児にはきちんと明るいお日様の下で過ごしてて欲しいもんね
青と銀のボウズアタマでメタルパーツの付いたネビュラのカレンギランも大好きだけど今作も良かった…細いけど長身なのでアクション映えるな！
1番の目当てだったアダムナガイティス、前下がりの汚ったないボブヘアで常に傾いててクチャクチャレロレロしてて爪楊枝もメリケンサックもピンクのシャツも似合うクソみたいなチンピラだったので、満足
