へたれ

レッド・ロケットのへたれのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
3.6
良かったとこ1 サイモン・レックスの人たらし演技
主人公のマイキーは、自分のエゴのために周りを言いくるめていくクサレ外道みたいな役だけど、サイモン・レックスの少年のような演技で憎めない人物になっていた。
映画を通じて共感するところがないにも関わらず、2時間以上もこの人物のわがままに付き合えるのは、キャラクターづくりがうまくいっているおかげ。

良かったとこ2 印象に残るロケーションと色彩
製油所を背景にした夕暮れのシーンや、Donut Holeという絶妙な見た目のドーナツ屋、パステルカラーの住宅など、観光地にならないような場所がおとぎ話のような場所に見えてくるのはショーン・ベイカーの他の作品と同様。
2016年の大統領選挙の分断を背景にしているためか、テキサス的なものは赤色を多用し、カリフォルニアから戻ってきたマイキーは青色がベースだけど所々赤、そして彼が17歳の少女に出会って希望が出てくると画面に黄色が増えてくるなど、色彩が特徴的だった。

ダメだったとこ キャラクターが単調
どの人物も最初の印象から変化がない。2時間超える長さなのに、出てくる人たちに背景が最後までよく分からず、雰囲気だけでなんとなく推測するしかない。
同じようなエピソードが何度も繰り返されるけれど、それで人間関係が進展するわけでもない。
特にストロベリーという少女は、魅力的な場面は多いのに、全体としてどういう人物なのかが最後まで分からない。
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