【前作『フロリダ・プロジェクト』より観ているうちは楽しめましたが、観賞後に振り返ってやっぱりイライラしました。🤔】
※今作『レッド・ロケット』のみならず、
他の映画のタイトルも多く出しています。ネタバレも少しありますので予めご了承ください。🙇♂️
YouTubeチャンネル「Black Hole」の2023年の劇場公開作品を振り返る企画の中で、
ライムスター宇多丸さんやアートディレクター:高橋ヨシキさんが今作を絶賛していたので観ました。
ただ実をいうと、
このショーン・ベイカー監督の前作『フロリダ・プロジェクト〜真夏の魔法〜』が、自分は観ていてイライラ💢するのが勝って残念ながらあんまりハマらなかったんです。⤵️
だから今作『レッド・ロケット』は一か八かのつもりで観ました。
そして先に結論から言うと、
前作より観ているうちは楽しめましたが、観賞後に振り返ってみたらやっぱりイライラしたので、あえてスコアは低めにしました。
おそらく前作以上に不快感を示す人は沢山いると思います。😤
どっちも
“アメリカ社会の底辺・貧困層の主人公が、
周りに迷惑をかけまくった挙句、
当然、因果応報な展開になって、
ラストは夢や空想に逃げ込むような現実逃避的な幕引きをする“
みたいな話ですが、
『フロリダ・プロジェクト』よりも今作『レッド・ロケット』の方が楽しめました。
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【とにかく日常を切り取ったようなタッチは観ていて面白いです。🎥】
その2作品を観てこのショーン・ベイカー監督の作風はなんとなく掴めました。✊
ストーリーはさておき、
監督・撮影スタッフの演出やカメラワークは本当にうまいですね。
とにかく日常を切り取ったようなタッチは観ていて面白いです。🎥
舞台のテキサスの工業地帯がなぜか美しく魅力的に見えます。
おそらく実際にそこに住んでいる人にとってはなんのこっちゃない、ただの日常の風景なんでしょうが、映画で観る分にはワンカットごとの風景がどれも絵になります。
主人公がただチャリ🚲でぶらぶらしてるだけでも観ていられます。🏭
それに、編集のテンポもいいですね。
爽やかな海辺みたいなところで「いい景色だなぁ」って和んでいたら、カットが変わっていきなりSEXしたりするので、ハラハラします。😅
それに、
急に話している人の表情、たまに口や目にカメラ🎥がズームしたりする一風変わった演出も手伝って、観ていて退屈はしません。
というか、コメディとしてどこか面白いです。
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【破天荒で話が通じない自分勝手な主人公像を端から観て楽しめるか❓が好き嫌いの分かれ目でしょうね。】
主演のサイモン・レックスさんはコメディアンでもありラッパーでもあるんですね…。納得です。
長台詞をベラベラと喋り倒す滑舌👅の良さはラッパーっぽいですよ。
しかもwikipediaによると、ゲイ・ポルノビデオにAV男優として出演した経験もあるそうですから、「この役は当て書きなのか❓」と思うぐらいのハマり役でした。
ただ、
前作『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』同様に、主人公にかなりイライラ💢する映画なのも間違いありません。
『タクシー・ドライバー』🚕のトラヴィスは初デートで彼女とポルノ映画を観に行ってましたけど、
今作『レッド・ロケット』の主人公:マイキーは初デートでストリップ劇場に連れて行ってました。
どっちもすごく気持ち悪いんですが、
『タクシー・ドライバー』のトラヴィスの場合は彼女がまともな人だったから幻滅されてましたけど、
この『レッド・ロケット』のマイキーの場合、相手が17〜18歳の女の子(ストロベリー)🍓で常識がないんですよね。😅
マイキーがまだ17歳の彼女をポルノ業界に誘うって、返り咲きに利用しようとするのもおかしいし、彼女も彼女で本当にそういう世界に夢を見ているみたいで色々と問題です。
そもそもあの社会では麻薬を売るのは当たり前で、
「法律を破っても逮捕されなければいい。」
みたいな社会なので、いろんなポイントで日本人の常識がこの舞台では非常識なんでしょうね…。
自分はこの周りを振り回す主人公:マイキーを観て、『アンカット・ダイヤモンド』💎のアダム・サンドラーを思い出しましたが、
ライムスター宇多丸さんは
「『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』🪻のディカプリオの役にも似た“人としての薄っぺらさ“」と言っていました。
(自分は『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』はまだ観てないですけど、)
確かにこれまでスコセッシ監督が描いてきたような破天荒で話が通じない自分勝手な主人公像にも通じる部分はあります。
はっきり言って嫌な奴ですが、
そういう奴を端から観て楽しめるか❓どうかが好き嫌いの分かれ目でしょうね。
そして期待通り因果応報な結末を迎えるんですが、そうじゃなかったら自分は大嫌いな映画になってたと思います。
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【モザイクが無いように見えましたが、映倫はよく許可しましたね。】
良いとか悪いとかじゃなく、気になった細かい点を挙げていくと、
・冒頭で主人公が嫁さんの家に来たのに、完全に手ぶらな時点ですでにおかしいです。
・麻薬を吸う時の巻き紙がアメリカの星条旗🇺🇸だったのが、なんか「麻薬ってアメリカのダークサイドだなぁ…。」って思いました。🚬
・マイキーとストロベリー🍓の挨拶で、「さよなら三角△」「また来て四角◽︎」って字幕で出ましたが、これは字幕翻訳をした方のワードセンスで、よくこんな言葉がパッと出てきましたね。👏
・ポルノ映画のタイトルで別の有名な映画のパロディがあるのは知ってますが、劇中で、
「『ワイルド・スピード』のパロディで『ワイセツ・スピード』ってポルノ映画が作られた、俺はその主演だったが、『ワイルド・スピード』の主演のポール・ウォーカーが死んだせいで俺の出演も無くなった。」
って台詞がありました。
そんなことが実際にあるんですか⁉️
いずれにしてもびっくりしました。😅
・マイキーとのSEXの後、ストロベリーがピアノ🎹を弾くんですが、その曲が完全に別れ話の曲なので、「なんでこのタイミングでそんな曲を弾くの❓」って感じました。😅
・終盤、主人公:マイキーが全裸で全力疾走するシーンがあるんですが、モザイクが無いように見えました。😳
映倫はよく許可をしましたね。😅
もっとも自分の見間違いかもしれませんが、かと言ってもう一度確認しようとも思いません。
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【この映画のポスターってこの場面だったのか⁉️】
そして、とにかく隣人の青年:ロニーが可哀想すぎます。😫
終盤で彼は大きな交通事故を起こしますが
半分はマイキーがその事故を引き起こしたようなもんなんです。しかも最後までマイキーはその罪には問われないので、そこはめちゃくちゃモヤモヤしました。😶🌫️
あの事故で22人の被害者が出ましたが、その被害者が苦しんでいる姿もあんまり描かれませんからね…。
主人公の行動による被害者の視点が蔑ろにされがちな点も、『フロリダ・プロジェクト』に共通項しています。
そして、
今作のポスター(ジャケット)って
その大規模な事故を起こした後で、ロニーが完全に自分ひとりで罪を被ってくれて、マイキーは無罪放免だと分かって喜んで自転車に乗っている時の写真なんです。🚲
“映画を観る前と後とでその映画のポスターを見たら、全然違った気分になる作品“
って好きなんですが、今回は見返すとむしろ腹が立ってきました。💢
しかも、「人生はスウィートだ。🍩」ってキャッチコピーにも余計に腹が立ちました。
実際に観ているうちは楽しめたって意味ではスコア3.7〜3.8ぐらいにするつもりだったんですが、
レビューを書いているうちに振り返ってもう一度イライラしてきたので、スコアは少し下げました。🔽
「ラストシーンのその後、マイキーはどうなるか❓」を考えたんですが、
⑴まずマイキーはストロベリーとは別れると思います。💔
彼女もドーナツ屋に頭を下げてまたあそこで働いた方がいいです。ただ、ナッシュとよりを戻せるか❓は分かりません。
⑵マイキーはあの街からは出て行かざるを得ないんですが、その後はホームレスでしょう。
彼に出来る仕事が見つかるか❓は分かりません。
⑶それよりも、まず彼が交通事故の件で逮捕されて欲しいです。😅