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わたしは最悪。のolnのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
2.5
時間が止まったみたいな恋をした

それは扉の向こうで引っかかった言葉
それは忍び込んだ知らない人のパーティー
それは何気ない朝のふとした瞬間

いつだって前触れもなく訪れるそれは奇跡的で
いつだってこの心を強く掴んで離さない

運命は残酷でどうしようもなくて
行き着いた先は行き止まりだったりする

失って気づくものはたくさんある
取るに足らない過去なんて捨て去って
演じなくたって幸せな未来を掴む未来へ





感想です。

夫の発言として作中でも言い放たれるし、現実世界でも然も良いことのように言われる、「子供ができたら育児に参加する」という言葉が嫌いです。
だってよくよく考えたら、とんでもないこと言ってますよ?個人的には「お前の子供なんだから、参加するんじゃなくてお前がやるのが当たり前だバーカ」と思います。何を良いパパ面して、みんな女性の仕事だと思ってるでしょうけど、男の俺もやりますよみたいな目線で言ってんのかと正気を疑います。

さてさて、本作の印象は正直に言って、かなり退屈なものでした。そんな印象を更に強固なものにするかのように、右後方の座席のおじさんの欠伸が凄まじく、「お前もう朝の上映回に来るのやめとけよ」というレベルで、欠伸アフターの息が漏れる「はぁふぅ」音が何度となくリピート再生されました。せめてサイレントで欠伸してほしかった。
そんな中、ついぞ集中が切れた私も何度となく欠伸を繰り返し、必死にサイレント欠伸になるように息を殺し溢れ出る涙。ハンカチが手放せない一本であったのは確かです。

ほぼレビューをしていないことに気がつきました。。。
フィクショナルな要素も多分にある作品ですが、なんだか良い人そうに見える登場人物達も、それぞれに救えない部分が垣間見えるあたりのリアリティライン。この共存は絶妙でした。自己主張を履き違えたラジオでの失言、子供は欲しくないと言いつつ・・・な行動、感情の原因があるにしたって客観的には自己中に見える挙動。でも、皆んな誰しもこんな感じだと痛いところを突いてきて、嫌いにはなり切れない登場人物たち。
この物語の世界だけではなくて、今生きている現実の自分が”THE WORST PERSON IN THE WORLD”であることに気付かされます。がしかし、今後はヨーロッパあたりの渋い恋愛映画は観ないでいいやと、私の心に決めさせるだけのパワーがある作品でした。
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