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モガディシュ 脱出までの14日間のolnのレビュー・感想・評価

3.5
わかり合えたって分かち合えない
この感情を口にするのは最初で最後
友よ、明日は敵だ
もう交わす言葉は無い

南北の火花は異国の火種に焼き尽くされ
1990年は1991年に変わっていく
時代は大きな音を立てて移り変わっていく

見えるようで見えない壁に阻まれて
歩み寄ることを忘れていたんだ
たった2人が気づいたって世界は変わらないけれど





感想です。

国交のあるアフリカ諸国を基盤に、国連への加盟を目指す韓国と北朝鮮。対立する2つの国は、異国の地で思わぬ事態に見舞われ窮地に追い込まれるが、手を取るわけにはいかない、さぁどうする!?な作品。
序盤は政治×コメディの様相で、気楽に観れそうな雰囲気を醸しつつ、気づけば舞台は”MAD MAX”の世界へ。しかも、きちんと金が掛かっているので、有無を言わさぬ暴力やヘッドショットの現実味が凄まじく、大使館の外に広がる地獄絵図な光景にも説得力があります。

あっという間に安寧から狂乱に変わってしまう構成は何度となく観てきましたが、本作はなかなかインパクトのある変容ぶり。現地民の身の振り方だったり、大使館の対応だったりには、本当にそんなことがありそうだと思わせるだけの力がありました。(あったんですけどね)

そんな中、ポンコツはいつだってポンコツだなと思わせる書記官。あいつマジで余計なことしかしなかったなというベクトルで、鑑賞した誰しもの記憶に残るであろう存在ですが、チョン・マンシクって結構怖い役どころもやっていてのこれですからね。その振り幅が一番怖いわ!と思うのでした。
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