さとし

異動辞令は音楽隊!のさとしのレビュー・感想・評価

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)
3.8
こちらはまあまあでした。

阿部さんはいろんな役をこなせる俳優になったんですね。「とんび」とかも良かったですが、今作では好きなキャラになるのに時間をようするパターンで他の俳優さんからこういうパターンのキャラクターアークというか映画の性質上どうしても辿らなきゃならない悪い人がいい人になるまでのプロセスとでもいいましょうか・・・なんか上手くは言えませんがそいう流れの演技でした。30年も現場一筋でやっててあっさり音楽隊へ行けと言われたらそりゃたまらないですね。私だったらどうしようと考えてしまいます。

それにしても阿部さんのキチぶりは半端ないですね。怒鳴るは六平さんに喧嘩をふっかけるはバーベルで人を懲らしめるは終いには和太鼓を窓に投げて窓ガラスを割るというなかなかのキチぶりでした。それの一方で母親やお年寄りには優しい方なんだという印象でした。まあ、音楽ものは昔からトリッキーですね。「スウイングガールズ」のようにいつの間にそんなに上手くなったのというのもあれば、「スクール オブ ロック」とか「セッション」と言った傑作もあります。まあ、「くちびるに歌を」ほど主人公が嫌われるのは珍しいですが、この映画の前半の阿部さんも一歩間違えれば嫌われた感じです。まあ、わりと上手くやった感じです。

まあ、意外とヴィランもヴィランぶりが良かったです。最後にエンドロールに行くのがワンシーンくらい早い気もしますが、「セッション」へのオマージュという印象も受けます。良かったと思います。
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