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フィル・スペクターの消費者のネタバレレビュー・内容・結末

フィル・スペクター(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

“ウォール・オブ・サウンド”という革新的な手法を生み出し数多くの名曲を世に残した名プロデューサー、フィル・スペクターに実際に掛けられた女優の殺人容疑を扱った裁判を彼の弁護士視点で描いたリーガルサスペンス

有罪とされ刑務所に収監される事となったフィルだが本作は彼が無罪である可能性を提示した物となっている
事実として彼が有罪か無罪かは彼のみが知る所なので犯行の真偽については何とも言えないが社会的に奇人変人のレッテルを貼られた者は大衆の偏見や思い込みによって例え無罪であっても追い詰められてしまう可能性がある、という事が恐らく主題だと思われる
彼の様な有名人の事件に関わらずそういった問題はマスコミや大衆の風潮によっていくらでも引き起こされてしまうリスクがあるのは事実なので必要な問題提起だとは言えるだろう

だが状況がなかなか進展していかない一方で事件の検証と事実の追求は速いテンポで進んでいく構成のせいもあり置いてけぼりにされている様な感覚を終始覚えてしまった点が惜しかった
フィル・スペクターを演じるアル・パチーノの演技がまさに奇人という感じで素晴らしかっただけにそこが残念だった

前述のメッセージ性を踏まえて考えると芝居の形式を取らずに関係者や専門家達に話を聞いていく事で真実に迫っていくドキュメンタリー作品にした方が良かったのではないか、という感想
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