徹底的な“2人だけ”の映画。「感情移入できなかった」なんてのは、あるある映画感想ですが、ここまで分かりやすく観客に「共感してはいけない」安易な感情移入を許さない物語の邦画新作も珍しい。
逆視点版『怒り』」といった具合に、全編渡って本人しか分かり得ない心の傷を見せつける「安易な優しさの押し付け VS 愛想笑い」。主人公の「笑ってごまかすしかない」地獄の映画でした。
ホン・ギョンピョの撮影は言わずもがな素晴らしく（冒頭のブランコのショットの映画的なこと！）、お得意の逆光シルエットと被写界深度の浅い画で世間から隔絶された主人公の「本人しか分かり得ない心の傷」を強調します。本当に素晴らしい撮影！
■動画も作りました！
https://youtu.be/bXPGl-zCuv4
