原題“ROSSO COME IL CIELO”(空のように赤い)
邦題“ミルコのひかり”
この映画、邦題が素晴らしい。
観終わった後、タイトルに込められた意味が映画の余韻と相まって、胸が熱くなる。
本作はイタリア映画界屈指の音響編集者である“ミルコ・メンカッチ”の実話を元に作成された。
彼自身がサウンドデザインを担当しているという。
彼が何故、音の魔術師と呼ばれるようになったのか。
瞳を閉じて音に耳を澄ます。
光は遮られ暗闇の中、呼び起こされる感覚に気付く。
音が拡がりをもち、感覚は研ぎ澄まされ、
目で見ていた時には気が付かなかった世界がそこにはあった。
周囲に漂う僅かな唸りやくっきりとした音の輪郭
手のひらに感じる柔らかさや温もり
地面を掴む足裏の感覚
“匂い”、“温度”、そして“色”
空気や風すらも…
劇中のジュリオ神父の言葉を想い出す。
“感覚は五つある 一つだけじゃない”
感覚に個性が宿る。
特別な個性と想像力“ファンタジア”
それは例えどんな逆境にあったとしても、
誰にも奪えない強烈な“ひかり”に違いない。
ミルコを始め、世界中の子供達の“ひかり”に幸あれ。
※少年達はじめキャストの演技、音のもつ可能性、映像・音楽、家族の愛、甘酸っぱい恋や友情、そしてこれが実話である事の意味、傑作と呼ぶに相応しい素晴らしい映画に出逢えた。
ジュリオ神父のセリフの多くが心に突き刺さった。
ミルコの恋のシーンや、ラストの一連のシーンは何度観ても胸が震え熱くなる。
エンドロールまで…
最高です!