たかこ

LAMB/ラムのたかこのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の記録のために、内容書きます。

第一章
暗い冬の羊農家。山の草原。夫婦ふたりだけの暮らし。
羊小屋で羊たちが何かを見ている。怯えてかたまってる。一頭の羊が倒れる。
出産の時期で何匹も子羊が生まれる。
ある一匹が生まれたのを見て、夫婦は驚く。妻が抱いて家に連れて行く。
小屋にきた妻を母羊が見つめる。私の子供はどこ?って。
古いベビーベッドを出してきて大切に育てる夫婦。
猫がその子を見つめる。
窓の外で母羊が泣く。私の子供を返して。
ある日、子供がいなくなった。必死にさがす。「アダ!」外で母羊と一緒にいるのを見つけた。
抱き上げた背中に毛がなかった。母羊が追いかけてくるのを怒鳴りつける。来るな!
ベビーベッドに眠る子羊には、人間の手があった。

第二章
春になる。たくさんの子羊たちが元気に走る。この羊達が美しかった。
アダに花かんむりをかぶせる妻。
そんな山に車がやってくる。
スマホを放り投げ、1人の男を置き去りにして車は去っていく。男は野原を歩いていく。夫婦の家にたどり着くだろうなと思いながらみる。
雨が降ってきた。夢を見て起きた妻。母羊の鳴き声がする。銃をもって外に出ると、子供のいる部屋の窓の下に母羊が立っていた。
妻は銃で母羊を撃ち殺し、土に埋める。
その様子を、男がみていた。
この男が悪いやつで襲ってくるとかするのかと思いきや、なんとその男は、夫婦の夫の弟だった。朝食の席に子供を呼ぶ夫婦。当たり前のように。
セーターを着て羊の頭をした、首から下は人間の子供だった。そうだろうなと思ってたので、歩けるんだ、大きくなったんだなと思った。

あれはいったいなんだと問う弟に、
「幸せってやつさ」と夫は答える。
弟はアダを連れ出し銃を向けるが、撃てなかった。

第三章
妻がお墓参りをしている。娘アダの墓だった。
試合の日、3人は酒を飲んで観戦。昔のビデオを見て踊り騒ぐ。たぶんアダはキャーキャーするのは怖くて嫌なんだと思う。外に出る。犬が何かを見て走る。アダも何かを見た。
弟は妻に言い寄り、母親を殺したことをアダは知っているのかと聞く。
草むらに犬の遺体。
翌朝、妻は弟を車に乗せてバス停に連れて行く。出ていってということ。お金を渡す。
戻ったらアダと夫がいない。
草原に轟く銃声。
羊の顔の人間が、夫を撃ってアダを連れて行った。
妻は、夫もアダも失った。

うわーーー、アダのお父さんいたんだ!!!
彼にしたら連れ去られた子供を取り戻しに来ただけだもんね。母羊の仇討ちだもんね。

冒頭、妻は無表情で仕事をし、羊の出産を手伝い、子羊の耳に鑑札を付けて耳を切り落とす。なんの感情もなく。。
アダを得てからは笑うようになった。夫も優しい眼差しを向けていた。
夫婦にとってはアダは「幸せ」そのものだった。
でも、それは奪ったものだった。
母羊が毎日毎日子供のところに来てたのに。。。
子供を失った悲しみは夫婦も知ってるはずなのに。。。
なのに身勝手に奪った。

アダは片手は人間の手、片手は羊だった。
これ、もしかしてアダを連れてたのが弟だったら、弟が撃たれてた。
妻は弟を助けたみたいなもんだわ。
妻は弟を連れ出して撃つのかと思ったけど、そうじゃなかった。
弟の登場から、なにか起きる、起きる、って思わせられる感じが常にあった。
前半は羊小屋が映り、放牧の様子もあったのに、後半はまったく出てこない。
アダに羊を見せないためか?と思った。

あのとき、夫はアダに言ってた。
山を背にして歩いたら家に帰れるよ、
曇って山が見えないときは川の音を聞くんだよ、って。
アダは自分で戻ってくるかもしれないなって思った。
たかこ

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