BROOK

女神の継承のBROOKのネタバレレビュー・内容・結末

女神の継承(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞日:2022年7月30日
パンフレット:1000円


女神バヤンに、祈りは届くのか――?


あ、、、これはヤベーもん観たわ。
もうね、かなり振り切っている作品というか、ぶっ飛んでいる作品(←最大級の褒め言葉)

ナ・ホンジンの「コクソン」は観たことはないんだけど、噂はかねがね聞いていたので、今作の原案・プロデュースということで、鑑賞しましたよ♪

POVやモキュメンタリ―、ファウンドフッテージ作品を観るのはかなり久しぶり。
しかもタイ映画はそうそう観ることはありませんよね。

モキュメンタリ―というと、昔なら「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を劇場鑑賞した思い出。
とりあえず、今作はブレアウィッチのような画面酔いは全くありません。

R18+にしたのはなぜだろう?と考えていたが…
どうやら過激な性描写が問題だったみたいです。


映画は、タイのドキュメンタリー班が霊媒について取材をしていて、数多くの霊媒の中で女神バヤンの巫女であるニムに密着取材するシーンから始まります。

ニムは巫女になった経緯をスタッフに話す。


その後、ニムは姉のノイの夫であるウィローの葬儀に出席。
ノイは巫女になることを拒んだため、ニムが巫女になっていた。

ウィローのヤサンティア家は祖父は労働者に石を投げられ亡くなっていて、父親は保険金目的に放火した後、逮捕され獄中で自殺。
ノイとウィローの間には娘のミンと息子のマックがいるが…マックはバイク事故で死亡していた。

仮装が終わり、出席者たちで寛いでいる中、ミンが突如罵声を吐き始める。
どうにかその場の混乱は収まったものの、夜、ミンが盲目の老婆を見つめ合っているのを目撃するニム。

翌朝、その老婆が死亡して、騒ぎになっていた。


ミンの体調は悪化する一方で…
さらには子供のようになってみたり、悪態をついてみたりと、不可解な行動が目立つように。
そして、夜な夜な事務所内に入っては男性と情事に耽っていたため、勤務先の人事センターをクビにされてしまうミン。

ついにはミンは自殺未遂をしてしまう。
ノイはニムに助けを求め、バヤンの代替わりの儀式をおこなうことを了承するも…
ニムは、ミンに憑いているのはバヤンではないと告げるのだった…。


前半は、車のギアで例えるとセカンドギアでずーっと行っている感じです。
じわじわと迫りくる”何か”に怯えるような…。
ミンの奇行っぷりは凄まじいものがあるんだけど、まだまだ序の口程度。
徐々にミンが壊れていく過程がホント怖い…(汗)

車の窓ガラスに映ったミンの顔が笑っていたのは気味悪かったなぁ…。
笑っていたよね?


それに立ち向かうベテラン祈祷師の貫禄があるニムがなかなか良き。
中島哲也監督作品「来る」でいうところの柴田理恵さん演じる霊媒師みたいな存在ですね。


後半は、サードギアを通り越して、一気に5速のオーバートップギアに入ります!
●肉食と●肉食はさすがに驚きました。
ジャンプスケアのシーンもかなり多くなるので、苦手な方は注意。
監視カメラの映像は鳥肌ものかもしれない。
もう、ミンが…ミンが…みたいな(苦笑)
あと、ワンコが…(略)苦手な方は要注意。

儀式準備途中でニムが亡くなってしまい、サンティら祈祷師たちのお祓いから、その後の阿鼻叫喚の地獄絵図も怖過ぎなんですけど。。
これは是非とも劇場で観て欲しいところ。

部屋にお札で閉じ込められているミンサイドのシーンも凄いよ。
ポンの泣き声でおびき寄せるって…(汗)
そのポンまでも…(略)


ミン以外関係者は全員死亡のバッドエンドではあるんだけれど…
ヤサンティア家を恨む者からしてみれば、やっと復讐できた…となるのでしょうね。

ニムの最後のインタビュー映像がめちゃくちゃ哀しい…
女神バヤンの存在は最初から分からなかったって…泣き出してしまいます。
そのまま泣き声でエンドロールに入るのは気が滅入るかもしれない。


そういえば、車に書いてあった赤い文字のステッカーの説明がきちんと語られてなかったのが気になりました。
あれは一体どんな意味だったんだろう?
厄除け???


「ヘレディタリー/継承」「ミッドサマー」「来る」が好きなら絶対オススメ!!

非常に疲れる映画なので、体調を万全にしてから臨んでください!
BROOK

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