yukihiro084

THE FIRST SLAM DUNKのyukihiro084のレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.5
毎年、この時期に、息子の学校では
学校の周りを走るミニマラソンが
行われる。息子は、一度転んで4位は
あったが、毎年クラスで3位になる。
1位、2位の子は少年野球をやっている
いかにもスポーツ少年の体型や顔つきを
している男の子なので、息子のように
特にスポーツをやっていなく、
家ではゲームやスマホを触っては
アホみたいにギャハハ笑っていて、
毎年3位に入るのは逆に凄いな、と
思えてしまう。そんな息子も今年は
不安らしい。同級生の背が伸び、
体格もお兄ちゃんお兄ちゃんしてきて、
練習で負けることもあるらしい。
『アドバイスをしてやろう。』と僕。
『うんうん。』と息子。
『コースの途中でズルしてショート
カットするか、足の速い子に毎日
ちょっと痛んだ食べ物をあげて、腹を
下させるか、2択しかないな。』と僕。
『やる訳ねーだろ。』と息子。

観てきました。良かったです。
すごく観たかったです。
別のレビューでも書きましたけど、
僕、あのー、登場人物たちの(喋り過ぎ
問題)がずっと気になっていて、特に
最近の邦画に多いのですが、監督に力が
ないのか、観客に親切過ぎるのか、
そこは観る側が感じ取ったりする心の
機微を、台詞にしてしまう、あの愚かさ
が好きじゃなくて。

で、今作。原作者の井上雄彦さんが
監督をしているので、もう絵でね、
魅せる、語るんですよ。
それも圧倒的な絵でね。
凄くいいんですけど、
満点ではないんですよね。
やはりストーリー的には、
これまでの物語を補完するような
エピローグ感が強いんですよね。
映像もキャラクターへの愛情も
最高なんですけど。

描かれるのは、傷付くこと。
立ち直ること。
立ち直るには時間が必要なこと。
そして、立ち直れない痛みも
あるのだと言うこと。

でも諦めたら、試合はそこで
終了してしまうので、みんな
強くなるしかない。
何かを受け入れるしかない。

いやーバスケでしたね。
バスケの試合を観ているかのような
スピード感。テンポ感。間合い。
速攻の際の飛びようなスピード感。
アイコンタクト。以心伝心。
ディフェンスのしつこさ。圧。相手に
スクリーンをかけてシュートコースを
つくる基本的なこととか。
もう、バスケでしたね。試合でした。

あと、オープニング、最高でした。

息子は今年も3位だった。
あんなに不安がっていたのに、
結果は圧倒的なリードでの3位だった。
以前、学校に提出用のミニマラソンの
練習量を色鉛筆でグラフっぽくして
記した息子のノートを見たことがある。
みっちり、みっちり書いてあった。

映画は、あるひとりの主人公を中心に、
やっと辿り着いたその大切な試合の
1日を描く。その日までの日々も。

息子はアホなことばかり言っている
お父ちゃんにきっとこう言うだろう。 

『お父さん、日々の努力だよ。』
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