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豚とふたりのコインランドリーのtetsuのレビュー・感想・評価

3.5
機会があり、鑑賞。

台北のコインランドリー。
限られた空間には面識のない男女2人がいる。窓辺で突如泣き始めた女性、彼女を心配した男性は声をかけるが……。ほぼほぼワンカット(実質2カット)で描かれる即興劇。

『走れない人の走り方』では、コインランドリーの場面が複数回登場したが、今、思い返すと、その原点には本作の存在があったのかと……。

さらに、諏訪敦彦監督の本を読んだことがきっかけとなり、本作で「即興劇」に挑戦。

この作品を経て、当時在籍していた東京藝大映像研究科映画専攻の編集領域から監督領域(諏訪監督が教員として所属している)へ編入したということで、新作における諏訪監督の影響を思うと、本作が通らざるを得ない道だったのだなぁと感じた。

ちなみに、元カレが通うコインランドリーという舞台設定は、監督の記憶から生まれたアイデアとのこと。

物語の核となる要素にリアルを織り混ぜる作家性が、説得力のある作品作りへと繋がっていることを確信した。

なによりも、この作品を観て、自分も短編映画のアイデアが湧いたので、映画を作りたくなった。

参考
俳優、池松壮亮が大絶賛した作品も。まったく未知の才能、まったく未知の映画との出合いを!(水上賢治) - エキスパート - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/999ddc2f3f4c6af85b611cbe40c407b9d4c3ed50
(作品の簡単な解説あり。)

佐藤寛太の偏愛主義でいこう!(第12回)ぴあフィルムフェスティバルで入選監督にインタビューしました!【後編】 | ぴあエンタメ情報
https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_316a3c88-b05c-4449-9882-896d77c24ee7.html
(一部課金の箇所はあるが、そこに至らずとも、監督のインタビューから制作のきっかけを窺い知ることが出来る良記事。)

誰も必要としていないかもしれない、映画の可能性のために ──制作・教育・批評
https://amzn.asia/d/dk2pCpj
(おそらく、本作制作のきっかけになったと思われる諏訪監督の著作)
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