soukun86

イノセンツのsoukun86のネタバレレビュー・内容・結末

イノセンツ(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

未視聴でこれを覗いた罪な人へw
先ず猫好きの方はこの映画を観ない方が賢明な判断だろう。

自分も大好きで何度も読んだ巨匠大友克洋の「童夢」に多大な影響を受けて…と監督も言われていた訳だが、空中戦での派手な超能力のぶつけ合いや、透明なサイコキネシスの力場が球状に団地の外壁を壊すのか?と大友ワールド全開を少し期待していたのだが、良い意味で裏切られましたw

意図的に極力VFXを派手な演出として使わずに見せる手法が逆に効果的に働いてて、この映画の全体的な地味な雰囲気の中、能力者の凄みを際立たせる事に成功している。
子供達の演技が本当に素晴らしく、音楽も凄くマッチしており、観ていて完全に魅入ってしまいました。

子供達はサイコキネシス、テレパスや憑依、遠隔洗脳などの能力に目覚め、遊びの延長でその能力を伸ばしていく。
その最中、自身の言葉の発することも出来ない重度の自閉症のアナがテレパスの能力者アイシャのサポートで母親の目の前で言葉を話した瞬間、これは感動のシーンでしたな。

その後、殺生に対する倫理観を持ち合わせていないベンが馬鹿にされたと怒り出し、その逆恨み的な暴走により人を殺め、果ては遊び相手だったアイシャを敵とみなし、手を掛けてしまう訳だが…
冒頭の猫のシーンは、良くも悪くも上記のベンの好奇心が故の悪意なき道徳感の欠如を見せる為に必要なのは分かるが、残虐過ぎて流石にドン引き(;´∀`)
後にベン自身も自らの能力の所為で母親を失った?喪失感に苛まれていたので、自分でもその異常さを理解出来ていなかったのだろう。

アイシャが死んでしまった影響でアナも道連れに精神を壊されて、それがキッカケで能力を発動したイーダとベンが最後に戦う?と勝手に先読みしたけど違いましたなw
初めはアナをつねるイーダが悪者?とミスリードしそうになったのも、俺は監督の手の上で転がされたんだろうかw

理解者アイシャを失い、1人でのベンとの対決を選んだアナ。
追いかけるイーダがギプスを壊したシーン、アレはイーダの能力開花の瞬間だった様に思えたのだけど違ったのかな?
そして合流したイーダと共に姉妹2人?でベンを倒す。
最後の対決シーンはホント童夢のそれ。

団地の子供達の視線がベンに。

監督はこれがやりたくて仕方ない感が凄い出てて、分かるわー!ってなりましたw

で大人の力も借りる事が出来なかった故に子供達だけ奮闘しアイシャの敵討ちを果たしたイーダとアナ。
辛かった分、この先にちゃんと両親に思いっきり甘えて、他人を頼る事が出来る人間に育ってほしいと願う。
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