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箱のmingoのレビュー・感想・評価

(2021年製作の映画)
4.0
傑作。「真面目に働くやつは病気になる。人間を見極めることが大事だ。」と説く移民労働者の斡旋業者マリオと、スターウォーズみを帯びたフォルムの箱を手にする少年ハツィン。メキシコの北部チワワが舞台、広大な土地と反比例するかのような静かなる美しいドラマ。闇に手を染めようとどんなクソ親父でも親父は親父、父と子の関係性の描き方がダルデンヌに類似。オープニング前に少年が一定のリズムでドアを蹴る鈍い音が後半の工場におけるハンマービートと重なり、詐欺・暴行・殺人・死体遺棄と次第にハツィンは道を踏み外していく。労働者からの搾取、麻薬カルテルといったメキシコの闇が冬の寒さをより際立たせる。何より箱の中身の不確かさが時代を反映、描く・描かないのバランスが素晴らしい。
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