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パワー・オブ・ザ・ドッグのericaのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.1
今年は劇場ベネチャンスが3回もあり、もちろん掴みに行きました😌(ただのファン)

『クーリエ』『モーリタニアン』(レビュー書かなきゃ…)、そして本作。
社会派、社会派ときて、ラストに極上サスペンス。
ただ公開順に観ただけだけど、我ながら良い順番だ。
どんな役でも器用に演じてしまうベネディクト・カンバーバッチはやっぱりすごい。

本作の役柄は一見典型的な男らしいカウボーイだけど、一方でインテリな一面もあり、カリスマ性に溢れ周囲から恐れられているという役。

注目すべきはその内面に秘める、本人が周囲に知られたくないであろうセクシャリティーな部分。
台詞で多くは語らず、役者の表情や挙動、演技の絶妙な間、その他演出によって観客に"間接的に"伝えてくるような感じがすごく良かった。

フィル(ベネ)がピーターをいじめる心理は、ある種の同族嫌悪なのかな
そして異常なまでの女性蔑視とアルコール依存症への嫌悪は、過去に(特に母親とか?)何かあったのではないかと思わされる…
フィルはきっと、自分の理想と現実とのギャップに苦しんでいたのだろう…
内面に秘めるものがとてもセンシティブで大きいからこそ、自己防衛的に他者に過剰に当たってしまうのかな…とか色々考えるのが面白かった。

フィルはある出来事をきっかけに急にピーターを認め始め、乗馬を教えたり投げ縄を作ったりする心境の変化がある
だけど、ピーターは…フィルに心を開いていた訳ではなかったのか……😨

"僕が母さんを守るよ。"

ラストの衝撃が忘れられない。。

いやぁそれにしてもベネさんの演技が圧巻すぎて、、間違いなく今年の賞レースに関わってくるであろう素晴らしい演技。
一体この短期間?にどうやって減量↔︎増量を含めた役作りをしたのか
実在した人物を2人(未公開新作含めたら3人?)も演じ、本作で複雑な役柄を繊細に演じ切り、さらにアクション映画の魔術師も演じなきゃいけないんだから大変だっただろうな。笑

あと全然関係ないけど、ベネさん(ストレンジ )とキルスティン(MJ)が"ピーター"って言うの、よく考えたらやばいな🕸
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