牛猫

鬼が笑うの牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

鬼が笑う(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

家族を守るために父親を殺害してしまった青年の行く末を描いた話。

試写会にて。

前科者に外国人労働者といった社会的弱者とされる人たちが、状況を少しでも良くしようと這いあがろうとするけれど、現実が厳しすぎてげんなりする。

内容としては分かりきっていたことだけど、まあ重い。
家族を守るのために父親殺しという凶行に及び、罪を償ったのに、残された家族からあんな扱いを受けたら心が壊れてしまうだろうに。
直接描かれてはいないけど、人殺しの家族という十字架を背負わされた母親と妹の苦悩もまた想像を絶する。

全てを諦めたような眼差しの主人公の姿が、安倍晋三殺しの山上容疑者と少し重なる気がした。

日本ってこういった一度レールを外れた人とかその家族とかに本当に厳しい国だと思う。世間が彼らを拒絶するほど、犯罪者は犯罪者としてしか生きられなくなるし、再犯率は上がって刑務所の経費も嵩むしで、結局は自分たちの首を絞めることになると思うんだけど。回転寿司でレーンを回っている寿司を舐めた少年が重大犯罪者のごとく叩かれてしまっているけど、あれなんかもまさに愚の骨頂。芸能人のSNSとかに誹謗中傷する人の心理も分からないけど、間違いを犯した人を集団で攻撃して悦に浸っている輩の心理もマジで分からない。それほど日本全体が病んでいるという事なのかしら。
牛猫

牛猫