牛猫

カランコエの花の牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ある高校の2年生のクラスで、何の前触れもなしにLGBTについての授業が行われたことから、日常生活に影響が出始める話。

LGBTという繊細のテーマと、一つの教室の中で繰り広げられる犯人探しのような展開。40分足らずの短い時間の中で、このテーマの難しさや、登場人物たちの感情の機微が凝縮されていた。
学校という逃げ場のない空間の中で勇気を出して告白した生徒の心情を思うと心が痛む。
心無い犯人探しを始める男子生徒はともかく、女子は意外にみんな落ち着いていて解決策を探そうとしているのがリアルだった。

この映画がつくられたのが2016年ということで、その当時どれだけこの言葉やテーマが世の中に知れ渡っていたのか分からないけど、相談を受けた先生があのような行動をとってしまったのは軽率だったと思うし、戸惑う生徒たちの心情も分かる。でもLGBTに限らずダイバーシティ教育はやるべきだし、それによって救われる子どもたちもいると思う。この映画をそのまま流してもいいくらい。

主演の今田美桜は当時ほぼデビュー仕立てくらいだと思うけど、大きな目はこの頃から印象的。他の生徒もどこにでもいそうな等身大の高校生を自然に演じていて、青春映画としても素晴らしい。

ラストの女子生徒の表情が切ない余韻を残して、まあ考えさせられる。
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