牛猫

唄う六人の女の牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

唄う六人の女(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

美しく奇妙な6人の女に監禁された2人の男の運命を描いた話。

神秘的な森の雰囲気とか、昔ながらの日本家屋の感じとか、喋らない六人の女優さんはそれぞれ個性が際立っていて良かった。口から羽を覗かせた水川あさみとのファーストコンタクトとか、FFXを彷彿とさせる円状に配置された竹の松明の中で行われる儀式っぽいやつとか、しつこいくらいスローを多用して撮られた水の中の描写とか、切り取れば天然水のCMにそのまま使えそうなくらい瑞々しい森の風景とか。虫が苦手じゃなければ爽やかな映像美に浄化されると思った。
山田孝之の悪役っぷりも振り切っていてゲスい役やらせたら流石。

画面から漂うミステリアスで妖艶な世界観は好みだったし、面白くなりそうな場面はあったんだけど、よくある説教くさい結末に着地してしまったかなって感じ。
最初から不要な説明台詞で喋りまくる竹野内豊に嫌な予感はしていたけれど。
道に立ち塞がる落石も学芸会みたいな質感で、予算の少なさが見えて切なくなった。
自然を守ろうとか、親子の愛みたいなメッセージの大筋はなんとなく伝わったけど、竹野内豊の棒読みが気になりまくったのと、虫汁のビジュアルがキツくて堪えた。
自然の精霊を美女に見立てて集客してやろうという魂胆も安易で下品に感じた。
山田孝之がいなかったら見どころがなかったかもしれない。
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