鷲尾翼

麻希のいる世界の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

麻希のいる世界(2022年製作の映画)
3.5
【まとめシネマ】#1026

【まとめ】
* 新谷ゆづみと日髙麻鈴
* 圧倒的、向井秀徳!
* 三者三様の歪な青春劇

新谷ゆづみ演じる由希は、重い持病を抱える高校生。ある日、麻希と出会い、バンドを結成しようと奮闘する。日髙麻鈴演じる麻希は、由希の同級生。音楽の才能があるが、ミステリアスで秘密を抱える。二人の姿は、等身大の女子高生を映しながら、個性が溢れる。真っ直ぐな熱意で物事に向き合う由希。孤独に生きながら、他者を受け付けない麻希。個性的な主人公を演じる二人は、幼くも深みがある。

本作で披露される楽曲を提供しているのは、向井秀徳だ。
本作の魅力の大半は、向井秀徳のサウンドにあると思ってしまう。そのぐらい奏でる音楽性に作品が支配されている。鋭いギターサウンドと汚れた歌詞が、作品の不器用な青春を彩る。そして、作中に登場する赤いFenderのテレキャスター、妙だな。

本作は、由希と麻希、そして由希を密かに慕う窪塚愛流演じる裕介との三人を映した青春劇だ。その物語は、三者三様の歪な個性や日常が、異様な方向に向かう。
鷲尾翼

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