ぐっさん

雨を告げる漂流団地のぐっさんのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
4.4
NETFLIXオリジナル映画。劇場でも観ることができます。

 2018年劇場公開の「ペンギンハイウェイ」、2020年NETFLIXオリジナル映画「泣きたい私は猫をかぶる」を制作したスタジオコロリド制作長編アニメ作品3作目。

 廃墟と化した団地を舞台に子供の頃のちょっと切ない夏の記憶に誘われる冒険ファンタジー。

 メインの主人公は子供たちだけどもこの冒険物語は、大人の私が観ても心にグサッとくるストーリー展開は面白かった!!

 古い団地が舞台で、懐かしさもあるけども、時代の流れで取り壊すことになってしまうことになる。でも、その団地に住んでいた人にとってはいろんな思い出があり、そこから抜け出したくない、ずっとここにいたいという気持ちから、不思議な冒険をきっかけに仲間の大切さ・絆などを体験していき成長し、前に進んでいく展開は素晴らしいんですわ。危ないことがあっても、子供たちしかいないから自分たちで何とかしなきゃいけない行動力・精神力の強さも学ばせてくれる展開もいいんですよぉ。

 その団地で一緒に育ってきたコウスケとナツメ、行動力抜群の同級生タイシと友達のユズル、コウスケのことをちょっと気になっているレイナとその友達のジュリ。各メンバーの性格バランスがいいんだ。どんどん前に行っても、片方がサポートする、強く言い過ぎても片方がちゃんと注意をする。令和の時代でもこんないい同級生メンバーがいるなんてうらやますぃ~。
 このメンバーならいきなり漂流生活になっても乗り越えられるメンバーなんですわ。
 とくに、コウスケの祖父・ヤスジの死をきっかけにケンカをしてしまっているコウスケとナツメが漂流生活をきっかけにお互い成長していくのでご注目していただきたい。

 突然の雨によって、団地の周りの土地がすべて海となり1つの団地の建物のみ浮かぶ漂流状態となってしまった世界。
 まさに、ゾンビも出ない誰も死なないウォーキングデッド状態のような世界の展開ですが、果たして子供たちは元の世界に帰ることができるのか、ネトフリもいいけど劇場の巨大スクリーンで観ることをおススメしたい作品です。
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