極めて演劇的な語り口ながらも、真正面から奥行きを生かしたシーンを多用し、背景に入るものを計算し、人間の微細な表情や動きの変化を捉えるカメラワークは、映画でしか、なし得ぬもので、死のリアリティにも驚いた。ほぼ正方形・白黒(縮小版DUNE感)の効果は微妙だったが、楽しめた。
今の時代に、定番中の定番を、金かけて映像化する意義はよく分からなかった(パンフ欲しい)けど、パートナーであり本作のプロデューサーである名優フランシス・マクドーマンドの新たな一面を引き出し、これまた名優デンゼル・ワシントンによる新たな、深みあるマクベス像を生み出せたのは間違いない。