王道の展開と実話を元にしたリアルのバランスが独特の味付けを生んだボクシングムービー。
最初、ボクサーが実際に自分を演じていると勘違いしてたのは内緒。
いや義足を見せるシーンも体つきもリアルそのものだったし!
実際には俳優の尚玄さんが演じられていて、道理で顔面からものすごい力が伝わってきた訳だと納得。
それはさておき話はタイトル通り。
義足でありながらプロボクサーを目指す主人公が、日本ではライセンスがとれない為にフィリピンに渡り挑戦する王道の展開。
この日本とフィリピンのそれぞれの温度差がまた興味深く、ボクシング協会の見てる方向や娯楽として日常的にあるものかどうか、なかなかに大きな差が主人公の人生を左右します。
ライセンス獲得に向けて練習風景やジムの仲間たちとの交流、アクシデントによる悲哀や衝突等、人間ドラマも王道かつ丹念に描いていて見応えあり。
だからこそ、クライマックスのリアルな現実を静かに叩きつける展開がこの作品の独自の味付けを生んでると思います。
ボクシングシーンは徹底的にリアル。段取りを作らずに撮ったそうで、確かに凄く良いパンチが入るシーンなのに見切れている画面が多かった(だけど本物そのもので見応え抜群)。
見終わったら別のボクシング映画も観たくなる、妙な味わいを残す逸品でした。