広島カップ

ゴッドファーザーPART IIIの広島カップのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
3.8
第一作目(1972):175分、PartⅡ(1974):200分、そして本作(1990):162分。
全部足して537分(約9時間)、足掛け18年の壮大なマフィア映画。
18年といっても二本目までが70年代に立て続けに発表されて、本作は90年代に入ってから発表されています。
Wikiによるとこれは元々三部作ではなく二作目までが本編で本作は後日談とのこと。
それにしては二作目のラストでシリーズ終了とさせるには中途半端な感じがして本作は絶対必要な気がします。

本作はマフィアのドンとして父親の後を継いだマイケル(アル・パチーノ)の苦悩を中心に描かれています。
歳を重ねて貫禄もついてきたマイケルでしたが最後は孤独な人生でした。
あれほど家族(ファミリー)のために尽くした彼が孤独な最期。

荘厳な雰囲気のオペラハウスでの惨劇の一幕。
ゴードン・ウイリスの素晴らしいカメラとウォルター・マーチの編集が光るこの一幕はシリーズを締めくくるのに、マイケルの最後を告げるのに必要な一幕でした。

そして壮大なオペラの後の残響のようなシチリア島での最後のシーン。
このシーン無しではコッポラは終われなかったのでしょう。
興行的には奮わなかった本作ですが、そんなことはお構いなくコッポラにとっては作らなくてはいられなかった"シリーズ最終作"だったのではないでしょうか。
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