タカシサトウ

ゴッドファーザーPART IIIのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

[ゴッドファーザーの“老い”]

 PART2から十数年が経過し、マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)も歳を取った。同じようにこのPART3も年を取ったかのように衰えた内容になっている。

 最後に娘のメアリー(ソフィア・コッポラ)がマイケルの代わりに撃たれて死ぬ。これが、彼の最大の喪失だろう。この場面のマイケルの慟哭は激しく、何とも痛ましかった。そして、すぐにマイケルが老いて死ぬ場面になる。

 これで、完全に“ゴッドファーザー”は完結した、もう続編は作れないと思える場面だった。

 アル・パチーノも老いた感じで、以前のような、鋭さや凄みは無くなっているが、それでもここでは一番の役者だろう。また、アンディ・ガルシアも、悪くないが、次のゴッドファーザーとしては随分物足りない。ソフィア・コッポラは、以前観た時ほど酷いとは思わず、でも魅力はない。

少なくとも、トム・ヘイゲンのロバート・デュバルが出ていればもっと味のある作品になったのにと思うが。

 しかし、ゴッドファーザーが、老い、過去を振り返り、後悔し、懺悔し、死んでいく物語として十分成立しているのだと思う。 (2019.5.12)